ガバナンス リスク管理への取り組み

当社では、業務の安全性と効率性を高めるために、事業に関連する社内外のリスク※1を適切に抽出・評価し、リスク管理の強化に努めています。

全社的リスク管理の運用

2014年3月にリスク管理の高度化を目的としてリスクマネジメント室を新設しました。「危機管理基本マニュアル」を制定するとともにコンプライアンス委員会などと連携し、リスク管理における基本的な手続き、危機※1発生時の報告・対応フロー図などの標準化をさらに進めていきます。
全社的リスク管理においては、業務におけるリスクの評価および対策を「リスク抽出リスト」にまとめ、これをもとに点検活動の実施、年度末の総括を経て、次年度の活動につなげるというPDCAサイクルを回すことで、リスク管理の着実な運用を図っています。

  • ※1リスク/危機:当社では、リスクを「役員・社員または会社の経営資源に損害をもたらすと思われる事象の発生要因」、危機を「リスクが顕在化し、役員・社員または会社の経営資源に損害が生じた、またはその恐れのある状況」と定義している。

全社的リスク管理活動

危機管理体制の整備・運用

当社は様々なリスクを抱えながら事業活動を行っています。そのため、平常時には全社的リスク管理による事前予防活動を行っていますが、同時に、危機は常に発生する可能性があるものとの基本認識に立ち、万が一、危機が発生したときの対応体制を整備しています。
危機管理基本マニュアルは、「会社を守り、社会・顧客に被害を与えない」という考えのもとに、リスク・危機管理における全社共有の行動指針として取りまとめたものです。
自然災害のみならず、品質上の欠陥・クレーム、環境問題、不祥事、犯罪、不良債権発生などの財産的被害についても対象としています。

《図1》リスク管理と危機管理の体系

BCP(事業継続計画)への取り組み

レジリエンス認証の取得

当社は2017年11月に国土強靭化貢献団体認証「レジリエンス認証」を取得しました。本制度は、政府の国土強靱化の趣旨に賛同し、事業継続に積極的に取り組んでいる事業者を「国土強靭化貢献団体」として認証して、その取り組みの普及を図ることを目的に、2016年2月にスタートした制度です。内閣官房国土強靭化推進室が所管し、「国土強靭化貢献団体認証に関するガイドライン」に基づき、(一社)レジリエンスジャパン推進協議会が審査・認証を行っています。
災害時の備えや、継続して実施してきた震災訓練、さらには、改善を重ねてきた当社のBCPへの取り組み姿勢が認定の基準を満たすものとして高く評価され、取得にいたりました。
2019年11月には、新たに社会貢献の活動が評価されゴールドのロゴを取得しました。

レジリエンス認証ロゴマーク

総合災害訓練の実施

大規模地震災害時、建設会社には、被害を受けた建物や道路を早急に復旧させるといった役割があり、早期の復旧が求められています。
当社では、2006年7月に大規模地震災害におけるBCPを策定し、総合震災訓練を通じて、実効性を検証してきました。
第15回目となる2019年度の訓練では、就業中の平日13時に各地で複数の大規模地震が発生したと想定(首都圏はマグニチュード7.3の都心南部直下地震と荒川決壊による水害の複合災害を想定)し、災害時に予想されるさまざまな状況に対し、各部門の役割や対応を確認しました。
役職員全員の防災意識向上と災害対応力向上を図るため、家族安否確認手段の再確認、防潮堤設置訓練等を行いました。また、役員を対象とした災害対策統括本部訓練では、荒川決壊による水害対応の止水板設置訓練を行い、対策統括本部としての意思決定プロセスの徹底・強化を図りました。
今後も定期的に訓練を実施してBCPを検証し、実効性を高めるとともに事業継続能力の継続的な維持・改善を図っていきます。

災害対策統括本部訓練
初動対応訓練

災害支援協定締結による社会貢献の推進

当社は、戸田建設グループ経営方針において「企業活動を通じて社会の発展に貢献する」こと、また同企業行動憲章では「社会への貢献」として「企業の利益と社会の利益を調和させ、「良き企業市民」としての役割を積極的に果たす」ことを定めていいます。これら方針のもと、内閣府が推進する国土強靭化の趣旨に賛同し、2017年にレジリエンス認証を取得しました。災害時に社会活動が早期に再開できるように、支援できる体制づくりに行っています。
2011年11月に東京都中央区、2017年には名古屋市東区と災害時支援協定を締結、そのほかにもさまざまな行政機関、民間企業をはじめとした多くの団体と災害時の支援協定を締結して、事業を行う基盤となる建物や、道路等のインフラ復旧を、速やかに行えるように努めています。

気候変動リスクへの対応

2017年にTCFD※2より、企業の気候変動対応やその情報開示についての提言が公表され、企業の気候変動対策やその情報開示に対して関心が高まっています。
当社は、この趣旨に賛同※3し、気候変動が事業へ及ぼす影響を重要な経営課題と認識し、この課題に対応しています。

主な気候変動関連リスクとその対策(一部抜粋)

リスク 当社にとってのリスク 対策
台風や洪水などの異常気象の深刻化
  • 異常気象にともなう工期遅延
  • 都市型土木における作業の中断や建設機械へのダメージ
  • 仮設資機材の強風対策
  • 作業所所在地の降雨量や強風の発生をピンポイントで予測できる民間気象会社と契約し、情報を得ることで事前に作業所で対策を実施している
平均気温の上昇
  • 休業による損失(熱中症により作業員が作業できない場合、損失となる)
  • 建設作業所では、作業員にミネラル補給のためのキャンディーや経口補水液(スポーツドリンクなど)の配布、扇風機の設置などの予防策を実施している
  • 各作業所に熱中症対策応急キットを常備して、万が一作業員が発症した場合の対策も行っている
レピュテーションリスク
(エコ・ファーストの約束(CO2排出削減目標)の未達成)
  • エコ・ファーストの約束は環境大臣との約束であり、それを守れないことは、社会的信用の低下につながり、公共工事における受注金額に影響が生じる
  • CO2排出削減の進捗を毎年環境省に報告
  • エコ・ファーストの約束をISO14001に統合し、各部門の方針に反映させた上で当社のCO2排出削減目標を設定
  • 全国の作業所に当社独自の低炭素施工システムであるTOMINICAを適用
  • ※2Task Force on Climate-related Financial Disclosures:2015年12月に金融安定理事会(Financial Stability Board)によって設立された、金融システムの安定性という観点から気候変動の影響について情報開示を求めるタスクフォース。
  • ※3TCFD提言に賛同する企業や金融機関等が一体となって取り組みを推進し、企業の効果的な情報開示や、開示された情報を金融機関等の適切な投資判断につなげるための取り組みについて議論する場として、TCFDコンソーシアム(経済産業省・金融庁・環境省がオブザーバー参加)が2019年5月に設置されました。当社はその会員企業となっています。

知的財産※4に関する取り組み

企業にとって、知的財産は技術力を計る1つの指標ともなっており、全社一丸となった取り組みが求められています。当社は、「知的財産委員会」を設置し、知的財産方針や知的財産戦略を策定し、企業利益に資する知的財産の構築を目指しています。また、「社内発明等の取扱規程」を改訂することにより、社員の発明の奨励および発明意欲の向上を図っています。さらに、「社内発明等審査委員会」を設置して知的財産の出願や更新の審議により知的財産の管理・活用の充実を行っています。
知的財産推進活動における本支店の研修会では特許などの理解を深め、知的財産の重要性を啓発するとともに、質の高い発明発掘につながる教育を継続的に実施しています。また、知的財産情報の提供・閲覧などにより特許等侵害リスクの回避を図っています。

  • ※4知的財産:知的財産とは、人間の創造的活動により生み出されるもの、特許、意匠、商標および営業秘密などをいう。このうち法律で権利として守られているのが、知的財産権であり、特許権、著作権、商標権などがある。
支店研修会の様子(1)
支店研修会の様子(2)
  • SCIENCE BASED TARGETS DRIVING AMBITIOUS CORPORATE CLIMATE ACTION
  • ECO FIRST
  • BOSS IKUBOSS AWARD 2016