経営について

株主・投資家の皆様へ

平成27年6月
代表取締役社長

今井雅則

株主の皆様には平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

前期(2014年4月1日~2015年3月31日)の我が国の経済は消費税率引き上げに伴う駆け込み需要により個人消費の反動減がみられたものの、円安や原油安等を背景に企業収益が改善するなど、全体としては緩やかな回復基調が続きましました。建設業界におきましては、官公庁工事を中心に受注が堅調に推移した一方で、労務逼迫等の懸念が払拭されず、不透明な要因を併せ持つ経営環境が続いております。

このような経営環境のもと、当社グループの業績につきましては、主に当社における完成工事高が減少したことにより、連結売上高は4,203億円(前期比6.4%減)となりました。利益面につきましては、採算重視の受注方針の徹底等により完成工事総利益率が向上した結果、売上総利益は361億円(同42.0%増)、営業利益は129億円(同171.4%増)、営業利益率3.1%となりました。また、特別利益において投資有価証券売却益10億円及び負ののれん発生益4億円を計上した結果、140億円の当期純利益(同37.1%増)となりました。

今後の対処すべき課題および新たな中期経営計画の策定について

今後の建設市場は、中期的には都市部を中心に堅調な投資が予想されている一方で、人口減少や財政上の制約等により、長期的な投資の拡大は見込み難い状況にあります。また、こうした社会的背景の中で、労働集約型産業である建設業では、生産性の向上が喫緊の重要課題であると認識しております。

当社グループにおきましては、2015年度を最終年度とする中期経営計画を進めてまいりましたが、最終年度の業績目標「営業利益率2%以上」を前期に1年前倒しで達成することができました。さらに、投資開発事業部や首都圏土木支店など、今後の成長戦略を推進するための機構改革についても完了したことを踏まえ、この度、今年度を新たな成長へのスタートラインとし、2017年度を最終年度とする「中期経営計画2017」を策定いたしました。本計画は、本年1月に策定した戸田建設グループグルーバルビジョン「“喜び”を実現する企業グループ」へのフェーズⅠに位置付けております。規制概念の破壊と新価値・システムを創造し、「生産性No.1」「成長への基盤」の実現に向けた中期重点施策を推進してまいります。

中期重点施策の概要と業績目標について

まず、「生産性No.1」につきましては、ゼネコン業界トップの高い生産性の確立を目指します。特命・設計施工の拡大、差別化技術の開発・適用、購買手法の改善等により価値創造力とコスト競争力を強化いたします。また、省力化施工やBIM※1の推進、業務改革とICT※2再構築、協力会社との協働拡大等により、消化能力と業務スピードの向上を図ってまいります。

「成長への基盤」につきましては、事業領域の拡大と建設とのシナジーの追求を目指します。投資開発、海外、国内グループ会社を戦略分野に位置付け、取り組みを強化してまいります。なお、2021年度以降を見据えた長期目標におきましては、営業利益全体に占める戦略分野の構成比率を25%(前期9%)とし、収益の向上を図ってまいります。

このような施策を通じ、最終年度(2017年度)の業績目標を連結売上高4,800億円程度、営業利益170億円(営業利益率3.5%)以上と定めております。また、新たに「労働生産性(付加価値額(営業利益+総額人件費)÷社員数)」を管理指標として採用し、1,300万円(前期1,154万円)の達成を目指してまいります。配当金につきましては配当性向20%~30%を念頭に、継続性及び安定性を勘案の上で決定させていただきます。

本計画を通じて、より活力にあふれた企業へと成長を遂げてまいる所存にございます。株主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

※1 BIM:Building Information Modeling

※2 ICT:情報コミュニケーション技術(Information and Communication Technology)