
(左)屋上階へと繋がる斜路内部。手すりも曲線で構成されている。
(右)海側の先端部を見る。遠くからも認識しやすいように、王冠をモチーフとしてデザインされている。

大さん橋の北側よりみなとみらい方面を見る。
屋上部分には芝生が植えられて、公園のように市民に開放されており、まるで海上のオアシスです。また先端の海側から見える部分は、海上からも認識しやすい王冠を模したデザインになっています。
建物は外部と内部の視覚的な一体感を出すため、館内に開放できる窓はありません。大きな壁面ガラスは下部が固定され、上部を可動式にすることにより地震や鉄骨の変位に対応できるようになっています。
また館内には階段が無く、ウッドデッキに覆われたゆるやかなスロープになっていて、全体的にゆったりとしたイメージです。

大さん橋客船ターミナル事務所の下村東さん。
「大さん橋」は、その大空間と特徴的なデザインから、単なるフェリーターミナル以上の存在として、市民から認知されていることを実感されているそうです。
大井さん曰く「スロープの下に設備配管が通っており、水道の給排水管、空調機器なども外からは見えないようにすべて床下に配置されています」とのこと。よく見るとウッドデッキの板の組み合わせも単調ではありません。スロープの脇にある手摺りも普通の建物では直線ですが、「大さん橋」ではそんな部分はどこにも無いのです。すべての部分がうねり、海の躍動感を思わせるようなウェーブ状になっています。
「実は、この建物で1か所だけまっすぐなものがあります。それは横浜市の旗を揚げるポールです」と大井さんが笑顔で言われるように、設計者案を忠実に具現化させた「横浜港大さん橋客船ターミナル」は、建築主、設計者、施工者の3者を表彰する2004年度BCS賞を受賞するなど、数々の賞を受賞しました。大井さんをはじめ、建設に携わった皆さんのご苦労も報われたに違いありません。
わたしたち横浜市民が国内だけではなく、世界にも自慢できる場所がまたひとつ、増えたことを嬉しく思います。

張り出したクルーズデッキ下には諸機能が配置されている。

駐車場。構造上の工夫によりスパンの大きい大空間を実現している。





