
吹き抜けの天井に描かれたフレスコ画。
「100年建築とはローテクでなくてはならない」設計者の森氏の言葉が心に残った。自然の摂理を忘れたとき、人は自然に思い知らされる。建物の隅々にまで明るい光とさわやかな風が行き届く庁舎を実現させたのは、胸の奥に誇りを秘めた技術者集団。壁のタイル1枚の出来栄えさえ、職人ひとりひとりの想いにかかっているのだ。
森氏は、「施工を担当した戸田建設をはじめ、多くの人の頑張りがなければ、この建物は成し遂げることができなかった」と言われた。そして、建築というものは泥臭い仕事であり、もの造りの原点なのだということを私に教えてくれた。県民から親しまれる心地よい空間の誕生。この新庁舎が県民にもたらすものは経済効果などでは計り知れない。光と風の庁舎には、訪れた人たちの陽だまりのような笑顔があふれていた。

昭和館(旧庁舎)外観。
昭和館(旧庁舎)について
旧庁舎は、昭和13年(1938年)に竣工した。クラシックからモダンへの転換期を示すデザインは県民に愛され、今回の新庁舎建設にあたり、正面中央部を敷地の東側に曳家のうえ、免震構造とし、展示施設「昭和館」として保存・再生されている。「昭和館」の1階には、旧庁舎と佐藤功一氏の関係資料が展示されている。
開館:8:30~19:00(土日・祝日10:00~19:00)
入場無料

今回の工事で発見された旧庁舎の定礎銘板。

昭和館の階段室。





