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昨年12月段階の工事の進捗状況は約6割。ほぼ予定どおりに進んでいるが、「工期にいかに間に合わせるかがもっとも苦心した点です」と佐藤所長は明かす。ダム工事の前提となる県道の切り回しが遅れ、着工は約3カ月遅れた。これを縮めるには堤体コンクリートの打設期間を短くするほかはない。そこで現場に投入したのが、コンクリート運搬用の300tクローラークレーンだ。バケットの大きさは4.5m3。一杯でミキサー車一台分のコンクリートを運ぶことができ、当初予定していた200tクレーンの1.5倍の容量を誇る。「このクレーンがなければ工期に間に合わなかったと思います。現場近くの唐津に、このクレーンを持っている協力会社がいたことも幸運でした」と佐藤所長。また、クレーンの大型化に伴い、バッチャープラントや骨材の貯蔵施設なども一回り大きくして対応した。
こうした取り組みが奏功し現在までの経過は順調で、コンクリートの打設は当初より2カ月ほど縮められる見込み。残工期も、設計変更による諸工事をカバーして目標どおりに終わらせることができそうだ。
工事に当たっては、協力会社とともに安全を最重視した施工を進めている。安全対策で特筆すべきは、骨材の運搬車両にGPS装置の搭載を義務づけ、車両の位置だけでなく速度や車両間隔を事務所で集中管理できるようにした点だ。この現場ではコンクリート材料(骨材)はすべて外部からの購入であり、多くの骨材運搬車両が出入りする。GPSを設置したこと自体が抑止効果となり、近隣住民の交通上の安全を確保している。
また、環境対策では、堤体の上流側に処理能力150t/hの濁水処理プラントを設置。工事に使う水を循環利用することで処理水の河川への放流を極力、少なくしている。さらに、下流に位置する伊万里牛の牛舎に配慮した遮音壁を設置するなど、環境負荷を極力低レベルに抑制した工事を進めている。

堤体のコンクリート打設工事が進む

300tクローラークレーン

バケットからコンクリートが放出される