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施工上のポイントとなったのが弾性すべり支承(免震装置)の設置、特に三分割したベースプレートのつなぎ目の精度の確保である。この装置は地震発生時に水平方向に最大60cm移動する。その分だけすべることができるよう、装置下部にベースプレートを設置し、そこにすべり板を載せるのだが、柱を切断した時点では左右のジャッキが邪魔となり一度に設置できないため、分割して設置するのである(図- 2参照)。ベースプレートを張り合わせる際に段差があると、いざ大地震が起きたときにすべり支承の動きを阻害してしまう。そこで、段差が無いよう高い精度でベースプレートを張り合わせている。
この工事は執務室を使用しながらの工事であるため、騒音・振動には特に注意を払わなければならない。議会の開催時などは大きな騒音の出る工事は慎まなければならない。現場では月曜日から木曜日にかけては昼間・夜間を通して作業が行われており、掘削や解体など、大きな騒音や振動が出る工事は夜間に回す。土日も昼間のみではあるが作業日となっている。金曜日は休みではあるが、作業所見学会が開催されることもあり、その対応をする必要がある。現場ではうまくシフトをローテーションさせて社員の休日を確保しながら作業が進められている。
現場はJR関内駅のすぐそば。ほとんどの工事は市庁舎内で行われており、市庁舎の窓から工事の様子がよく見える。だからこそ、「『見られる仕事』ではなく『見せる仕事を』。服装、行動、態度。全作業員が常に気を配っていなければなりません」と越野所長は注意を喚起する。もう一点、越野所長が強調するのが、この工事が同様の例が少ない特別なものであることだ。「ほとんどの工事が地下ということもあって見た目の派手さはありません。しかし、貴重な建築物とそこで働く人々を守る、使命感の高い現場であることを誇ってほしいと思います」。今年度入社した村田さんは「ジャッキで建造物を支えて免震装置を取り付ける。この作業にとても感動しました。めったにない工事なのでしっかりと学んでおきたいですね」と目を輝かせる。

図-2 三分割ベースプレート

施工図を確認する田端社員(左)と村田社員