駅前再開発ビルで大深度地下工事に逆打工法を採用
2000年2月3日
戸田建設(株)(社長:戸田守ニ)は、大阪府豊中市の阪急電鉄豊中駅西口において再開発施設を施工中です。
この工事の特徴は、地下5階で掘削深さは28mにもおよぶ大深度かつ大規模な地下工事を有することで、大深度の地下工事に対応すべく地下全面に(※1)逆打工法を採用したことと、資材の搬出入路である敷地前面道路が3t規制である中、当工事と同時進行している阪急西側線側道整備事業との密な調整を図り、工事車両の運行経路を確保しつつ工事を進めていることにあります。
特に地下工事は、地下の範囲が敷地内全域にあるため、前面の阪急宝塚線豊中駅の高架構造物をはじめとする多くの周辺建物が地下工事の影響範囲に入ります。そのため地下工事では、まず山留めの安全性と剛性が要求されますが、建物の平面形状は「おにぎり」のような不整形で、最も一般的な水平直交切梁工法には不向きです。また、全体事業の中で限られた工期を満足する必要もあり、地下工事には逆打工法を採用することになりました。
また、外周の山留め壁は、通常このクラスの地下工事においては、RC連続壁を採用するのが一般的ですが、入念な施工管理と綿密な計測管理の実施を裏付けとし、大口径のSMWを採用することで、コスト・工程の両面でメリットを得ることができました。SMWは大口径で850Φ3軸にて深さ36mの支持層まで削孔し、芯材はH-582×300を3分割で搬入して、現場でボルト接合後建て込みを行いました。
逆打工法における施工時の上部躯体の荷重については、内部の柱部分は、(※2)構真柱38本(長さ32m)で、外周部の柱部分はSMW芯材にスタッドを打設して、地下の床梁躯体に打ち込むことでSMWの芯材で支持されています。つまりSMWは、山留め壁としては土圧を負担するとともに、施工時の躯体荷重を負担する役目も担っていることになります。そのため、SMWをはじめとする山留め架構や阪急線の構造物には、自動計測および手動計測を併用した傾斜・応力や沈下の計測装置を取り付け、リアルタイムで計測結果をパソコンにて出力して挙動を管理しています。
構真柱は、本設SRC構造の鉄骨柱を仮設補強して、3分割で搬入して、現場内で地組みして1本に接合したものを、150tクローラクレーンにてアースドリル杭に挿入・建て込みました。この際、構真柱に取り付けた傾斜計で鉛直精度を管理して、所定の精度を確保することができました。
躯体工事においては、システム型枠を使用していますが、これを有効に転用することで床のデッキスラブ型枠採用とともに、熱帯材使用量の低減と、省人化および搬入資材量の低減を図るとともに、廃棄材を削減し、環境負荷を少なくしています。
地下躯体で後打ちとなる立上り部のコンクリートは、圧送ポンプのホースを型枠に接続して直接打設する圧入工法を採用していますが、上の打継ぎ部の充填を向上させるように流動性を確保し、さらに単位水量の小さな調合(単位水量185Kg/m3以下)にするために、高性能AE減水剤を利用しています。
当施設は、商業施設を核に公益施設、住宅、駐車場を配置した複合体として、新しい生活文化交流の拠点の創出を目指したものです。地下1階から地上4階までを回遊性の高い商業施設とし、ハイクォリティなスーパーマーケットを中心に権利者店舗などの専門店を配して、地域に密着したショッピングゾーンを形成します。5から6階は豊中市の女性総合センターを、7から9階の3層には住宅を備え、地下2階から地下5階に平面および機械式駐車場の導入を図っています。また、外装はタイル張りを主に石やカーテンウォールを象徴的に配しています。
※1:逆打工法
地下の本設構造体を山留め支保工として利用するため、掘削と構造体の構築を交互に上から下に向かって繰り返していく工法。仮設の鋼製切梁に代わって本設の構造躯体を利用するため、山留めの鋼製が高い。また地上の工事を並行して行うことができるメリットがある。
※2:構真柱
逆打工法の場合、施工時の建物および施工荷重を負担するための柱。通常、鉄骨やPCの柱を杭の中に事前に打設しておき、本設の梁やスラブを接続していく。
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工
事 概 要
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| 工事名称 | 豊中駅西口地区第一種市街地再開発事業施設建築物建設工事 |
| 工事場所 | 大阪府豊中市玉井町1丁目17番1他 |
| 発注者 | 豊中駅西口地区市街地再開発組合 |
| 設計者 | (株)東畑建築事務所 |
| 工事監理 | (株)関西都市整備センター (株)東畑建築事務所 |
| 施工者 | 戸田建設(株) |
| 工期 | 1997年12月12日~2000年9月30日 |
| 建物用途 | 住宅(28戸)、公益施設、商業施設(物販・飲食)、駐車場(245台) |
| 構造 | 鉄骨鉄筋コンクリート造 |
| 規模 | 地上9階、地下5階 |
| 敷地面積 | 3,686.63㎡ |
| 建築面積 | 2.841.23㎡ |
| 延床面積 | 32,320.42㎡ |
| 設備工事 | 電気、給排水、衛生、空調、昇降機、機械式駐車場(206台) |
| 外構工事 | 舗装、造園、防火水槽 |
| 杭 | なし |
| 軒高 | 36.99m |
| 最高高さ | 37.74m |
| 階高 | 地階4.15~5.65m、1階4.8m 基準4.6m、住宅2.95m~3.1m |
| 根切深さ | GL-27.77m |
| 屋根 | 断熱アスファルト防水のうえ押えコンクリート金鏝押え |
| 外装 | 磁器モザイクタイル(一部カーテンウォール) |
| ※1:逆打工法 | 地下の本設構造体を山留め支保工として利用するため、掘削と構造体の構築を交互に上から下に向かって繰り返していく工法。仮設の鋼製切梁に代わって本設の構造躯体を利用するため、山留めの鋼製が高い。また地上の工事を並行して行うことができるメリットがある。 |
| ※2:構真柱 | 逆打工法の場合、施工時の建物および施工荷重を負担するための柱。通常、鉄骨やPCの柱を杭の中に事前に打設しておき、本設の梁やスラブを接続していく。 |

斜梁架設状況

システム型枠
