2000年4月20日

建設業界で初の試み

 戸田建設(株)(社長:戸田守二)は、ゼロエミッションに向けての実験的な取り組みとして、東京都内で施工する大規模作業所の中から、「ゼロエミッションモデル作業所」を選定し、ゼロエミッション作業所の実現を目指した取り組みをスタートしました。

 建設業界ではまだ実現例のない取り組みですが、モデル作業所の中の一つである(仮称)新日本製鐵豊洲マンション新築工事(東京都江東区)では、平成10年6月に着工してから、現在(平成12年3月31日現在、進捗率74%)まで、ゼロエミッションを続けてきており、このまま順調に行けば、同工事が竣工する本年11月末には、業界初のゼロエミッション作業所が実現します。

1. ゼロエミッションモデル作業所の定義

 モデル作業所ではゼロエミッションを次のように定義しています。

 □発生する廃棄物をすべて分別リサイクルし、埋立処分量および焼却処分量をゼロにすること。
 ただし、焼却(もしくはガス化溶融)であっても、次の2つの要件を満たしているものについては、「焼却処分」にカウントせず、「リサイクル」として扱います。
 (1) 焼却灰(もしくは溶融物)を溶融スラグ【注1】化し、それを埋戻材(RC40-0の代替品)や、建材(舗装ブロックなど)などの原料として販売することにより、マテリアルリサイクル(材料としてのリサイクル)をしていること。
 (2) 焼却時に発生する廃熱、もしくはガス化溶融に伴って発生するガスを利用して、発電または燃料ガスの製造をすることにより、サーマルリサイクル(エネルギーとしてのリサイクル)をしていること。
 また、ゼロエミッションの対象は、新築工事の通常の工程から発生する廃棄物とし、次の廃棄物についてはゼロエミッションの対象外とします。
  1. 新築工事に伴う既存建物などの解体工事、および地中障害撤去などから発生する廃棄物
  2. 杭工事、および掘削工事などから発生する汚泥
  3. 詰所や事務所から発生する生ゴミなどの一般廃棄物

2. モデル作業所におけるゼロエミッション実施計画

(1)発生材の抑制
    PC化(工業化)や石膏ボードのプレカット搬入、梱包材の削減などを徹底することによって、廃棄物の発生を抑制する。
(2)分別リサイクルの徹底
    既に確保できているリサイクルルート(金属くず、木くず、ダンボール、コンクリート塊、石膏ボード、廃プラなど)をフル活用し、分別リサイクルを徹底する。
上記(1)、(2)を徹底することによって、混合廃棄物の原単位(リサイクルできないゴミの原単位)は、4kg/m2程度にまで抑制することができます。(廃棄物の原単位:床面積1m2あたりの廃棄物排出量で[kg/m2]で表す。
(3)リサイクル困難物のリサイクルルートの開拓
    リサイクル困難物(4kg/m2)については、これまでやむなく埋立処分や焼却処分をしてきました。ゼロエミッションを達成するために、リサイクル困難物を次のようなリサイクルルートの確保を計画しています。
■ 焼却施設またはガス化溶融施設(マテリアルおよびサーマルリサイクルが可能な施設)においてリサイクルするもの。
(1)セメント袋(紙とビニールの複合物) (2)ビニール貼りの内装木材 (3)塩ビ製品 (4)使い古しの軍手などの繊維くず (5)濡れ、汚れの激しいダンボール (6)梱包および養生に使用した紙 (7)塗装、コンクリートが付着した木くず (8)チップ化が困難な薄ベニヤ (9)グラスウール廃材 (10)おがくず (11)ホコリ(土ホコリ、砂ホコリ、繊維系のホコリなど)
■ コンクリート破砕施設(ガラス陶磁器くずの破砕許可を有する施設)へ搬出し、40-0ミリサイズに砕石化するもの。
(1)タイルくず (2)ブロックくず (3)煉瓦くず

3.リサイクル品の積極的利用

 分別してリサイクル施設へ搬出しただけではゼロエミッションを実施していることにはなりません。リサイクル資源を積極的に使うようなシステムを構築して、資源を循環させることでゼロエミッション社会が形成されます。戸田建設では平成11年9月に、リサイクル資源の滞留が著しい廃木材の状況を改善するために、東京ボード工業(株)と、「木質資源リサイクル推進協定」を締結し、廃木材を原料とした「パーティクルボード」の積極的な購入を始めました。また、溶融スラグを利用した地盤改良工法(ASLP工法)【注2】を開発し、保有しています(平成9年12月「江戸川区総合区民ホール新築工事」にて採用)。今後、戸田建設では溶融スラグを埋戻材、路盤材として砕石代わりに利用することはもちろん、来年度から新利用用途の開発に本格的に着手します。

【注1】溶融スラグ
 溶融された灰分が、急速に冷やされて結晶化したもので、通常の焼却灰の約10分の1まで減溶されている。
【注2】ASLP工法
 溶融スラグを利用した地盤改良工法(Ash-SLP)

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以上