2001年6月6日

 戸田建設(株)(社長:戸田守二)と西松建設(株)(社長:金山良治)は、平成11年10月4日の業務提携発表以来、研究開発分野では6テーマについて共同で技術開発を推進している。

 そのテーマの一つ「産業廃棄物の低減・活用技術の開発プロジェクト」では、建設工事中に発生する廃棄物の分別回収システム適用作業所を拡大し、回収の効率化を目指す「巡回回収ワーキング・グループ」と、産廃関連情報の共有および回収・リサイクルを支援することを目指す「産廃情報システムワーキング・グループ」が活動している。

 「巡回回収ワーキング・グループ」では、作業所から発生する建設廃棄物を共同で巡回回収するシステムの試行実験を昨年度から開始して成果を上げ、実運用の段階になった。

 今回発表する「産廃情報システム」は、この共同巡回回収を支援し、複数の建設会社、産廃業者が産廃関連情報をインターネットで交換するシステムである。
現在戸田建設1現場、西松建設1現場で試行実験を行っており、実用化の目途が立った。

  • 現状の問題点
    大量に発行されるマニフェストの管理と集計業務は、紙伝票では困難になりつつある。管理のために処理実績情報などを電子化する企業も多いが、排出事業者、収集運搬業者、中間処理業者、最終処分場がおのおの同一の実績データを入力することとなり、効率が悪くなる。
  • 「産廃情報システム」のねらい
    インターネットで処理実績情報などを共有することにより、重複入力の回避や業務の効率化・迅速化を図るのが産廃情報システムのねらいである。戸田建設と西松建設の共同研究では情報共有システムを構築し、そこに求められる機能を検証した。
  • システムの内容
    「産廃情報システム」は、次の内容で構成されている。
    1. 掲示板
      産廃関連の掲示板で、自由な書き込み、質問などをする場。
      「分別方法に決まりはありますか?」「良質の掘削土が出ますが、どなたかいりませんか」など、情報のやり取りの場。
    2. 産廃関連資料
      産廃関連の手続き書類、社内提出書類、参考資料、産廃削減事例などのデータダウンロード。
    3. 作業所一覧
      作業所の一覧、地図、産廃ストックヤード状況、マニフェストデータの実績を確認することができる。
    4. 産廃ストックヤード状況
      各作業所のストックヤードに設置したウェブカメラで自動的に撮影されたごみの量を画像で確認することができる。これにより、作業所のごみの量を事務所内で把握することができるだけでなく、現場員が産廃回収業者に電話連絡しなくても、産廃回収業者がこの画面で溜まった産廃量を確認し、回収するタイミング、回収車の経路などを計画・回収することができる。
    5. 地図表示
      作業所および産廃処理施設の場所と経路を地図上に表示する。
      この機能はまだ未整備である。
    6. 関連会社一覧
      協力会社、収集運搬会社、処分業者、残土処分業者、リサイクル業者などの一覧。
      この機能はまだ未整備である。
    7. iモード用マニフェスト仮実績入力
      産廃排出時にマニフェストのデータを仮に入力するシステムとして携帯電話のiモードを利用する。この入力したマニフェストデータが、産廃排出事業者、収集運搬業者、中間処理業者、最終処分場などへ流れる。また、このデータは各社で集計用、請求用、官庁などへの報告用としても加工利用することができ、業務の効率化を図ることができる。
  • 効果
    戸田建設と西松建設が共同で試行実験をした結果、次の効果が得られた。
    1. 2社間の書類の統一化と共通資料の利用により、業務を効率化することができた。
    2. 2社で行うため、作業所数が多くなり、産廃業者も参加しやすくなった。
    3. ウエブカメラによるストックヤードの画像認識は、効率的な巡回回収計画や配車などに有効であることが確認された。
    4. マニフェストデータは、コード体系をコンバートすることによって、 各社の保有している産廃システムに利用が可能であることが確認された。
  • 今後の展開
    今回のシステムは戸田建設、西松建設の2社間での情報共有を行ったが、今後は複数企業間での情報共有を視野に入れた情報システムの在り方を提言し、試行していく予定である。
以上