2001年8月21日
戸田建設(株)(社長:戸田守ニ)とトーメック(株)(東京都品川区、社長:今氏誠夫)およびサンエー工業(株)(東京都練馬区、社長:浦矢鉄夫)は、泥水式シールド工法の泥水処理設備のために濃縮プレスを開発した。この濃縮プレスを組み込んだ処理設備を用いることで、余剰泥水を流動化処理土(注)の原料としてリサイクルできる。
同社らは、以前からシールド工事で発生する余剰泥水をリサイクルする研究を行っており、2001年1月から4月に東京都水道局発注の西水元配水管シールド工事(正式名称:葛飾区西水元四丁目~足立区六木一丁目地先間配水本管(800mm)用トンネル築造工事)において、この濃縮プレスの実証工事を行い、余剰泥水をすべてリサイクルした。また当作業所では、濃縮プレスにより有効利用することが困難な余剰泥水をすべてリサイクルすることが可能となったため、他の建設副産物についてもリサイクルを行い、9月にはゼロエミッションを達成する。同社らは、この濃縮プレスを泥水濃縮システムの一つとして位置づけようとしている。
泥水濃縮システムは、(財)下水道新技術推進機構と戸田建設(株)の共同研究(シールド発進立坑用地を縮小化する省面積システム)の中の要素技術の一つで、濃縮サイクロンとベルトプレスで構成されている。このシステムは、処理土を固体で搬出する従来の泥水二次処理設備に比べ、設置に必要な面積が小さくて済み、処理土は流動性を保った濃縮泥水の状態で貯留できるため、任意の場所に配置することができるという特徴をもっている。
流動化処理土プラントでの受け入れは、「薬剤などを添加していない」、「流動性をもつこと」、「比重1.3以上」の泥水であることが条件である。そこで、濃縮プレスを使用し、濃縮サイクロンの濃縮泥水に溶解させて搬出する泥水濃縮システムを導入すれば、この条件を満たし、流動化処理土の原料として搬出できる処理設備となる。
濃縮プレスは、濃縮泥水の受け入れ条件を満たすために、2つの大きな工夫が施された容量0.7m3のフィルタープレスである。濃縮プレスに施された工夫は次の通りである。
- 薬剤の添加を行わないため、脱水性能やケーキ剥離性が低下してしまうという問題点に対し、2.9MPaの高圧(通常のフィルタープレス:0.7MPa)で余剰泥水を打込み、80kPaの負圧でろ過した水を引抜く方式にし、脱水性能の向上を図っている。
- 処理中のケーキ比重の連続測定により、濃縮ケーキ性状を制御している点である。この制御を行うことで、開枠時の濃縮ケーキと濃縮サイクロンの濃縮泥水との溶解性を維持している。これらにより得られる濃縮ケーキは、外側が比重1.5~1.65程度の皮膜状となり、内側が比重1.30~1.4程度の濃縮泥 水の状態となるため、濃縮ケーキ全体の比重は1.45程度になる。
当工事での実証工事の結果、濃縮プレスは比重1.15~1.25の余剰泥水を10~20分の短時間で処理されることが確認された。また、このプレスの濃縮ケーキを濃縮スラリー槽にて濃縮サイクロン濃縮泥水(比重1.5~1 .6)と混合溶解させて、比重1.5程度の泥水として流動化処理土プラントに搬出した。
同社らは、今後実証工事で得た経験を生かし、この濃縮プレスを使用した泥水濃縮システムを活用して、ゼロエミッションを目指した建設廃棄物の発生抑制やリサイクルに向け、濃縮泥水の流動化処理土への応用研究、市場の開拓に積極的に取り組む方針。
(注)流動化処理土:流動化処理土とは、土砂に大量の水を含む泥水(または通常の水)と固化剤を加えて混練することにより流動化させた安定処理土である。 主な特徴は
- ほとんどの土質の発生土が利用可能
- 流動性があり、締固めが不要
- 流動性、強度を任意に調節できる
- 低透水性、高粘着のため地下水の浸食を受けない
- 地震時に液状化しない
- 打設後の体積収縮、圧密が少ない
写真-1 濃縮プレス

写真-2 濃縮プレスの脱水ケーキ

