病院改修工事の『居ながら施工』
2001年10月25日
戸田建設(株)(社長:戸田守ニ)は、東京都渋谷区で都立広尾病院の本館改修工事および新館増築工事(竣工引渡し済み)と駐車場整備他工事を施工中である。
この改修工事は、設備の老朽化による設備更新工事(別途)が主目的の工事であるが、合わせて医療環境の充実を図っている。新館増築工事と別館の解体、駐車場整備は本館改修工事と平行しての施工となっている。
本館改修工事は、主に病棟、手術部、厨房などの改修工事で、既存内装および設備の撤去後、設備の更新および内装工事を行い、工区ごとに竣工検査後引渡しをしている。
施工の特徴は、『居ながら施工』で、都立病院では過去に例のない大規模な改修工事である。当該Step工事中は病室や手術室などは減少するが、基本的に通常の運営をしながら次の主な施工条件のもとの施工となっている。
(1)稼動している病院機能の縮小を最小限にとどめる
(2)病床数の減少は病院機能、運営上最小限にとどめ、工事期間中の大きなばらつきをなくす。
手術室の改修工事は、手術室(7室)の3室を使用可能とする
(3)ライフラインを停止させない
(4)騒音、振動、塵埃、臭気などの発生を最小限にする(病院内外)
(5)工事エリアへの作業動線は原則として外壁窓(バルコニー)からとする
(6)工事車輛の搬出入は原則として患者、見舞い客、病院スタッフ、救急車輛などの
動線と交錯しないようにする
(7)新館増築工事は、本館2階医局改修工事着手前までに竣工する
(8)別館解体工事は、本館2階医局改修工事竣工後に着手し、解体後駐車場を新設する
(9)看護学校、看護婦寮、保育所などのアクセスを確保する
(10)駐車場の駐車台数の減少を最小限にとどめるとともに、救急車輛の搬出入路を
常に確保する
以上の主な条件を考慮して、本館改修工事の工事範囲を10Stepに分けた。
病院は1フロアーを北側病棟と南側病棟に大別し、南側病棟の上階より下階の順に施工後、北側病棟の上階から下階へ順次施工する。1Stepに改修する病棟は2~3フロアーで、改修工事の上下階は緩衝階と称し閉棟する。
ただし、今回改修工事を行わない管理部門は、天井の撤去、復旧のみ行い、作業は土曜日、日曜日、祝日に施工する。
工事エリアと運営部分は防火遮音性能を有する仮間仕切(使用申請、検査は各Stepごとに行う)を設置する。また、各Stepごとに「工事中の消防計画」を所轄消防署へ提出する。
工事エリアへの作業動線は、外部にロングエレベータ(人荷用)を設置し、バルコニーの窓からとする。Stepごとに盛替えを行い、運営中の病棟は防音目隠しパネルを設置して、騒音や塵埃をなくす。
サービスコートに乗入構台を架設し、各作業事務所、詰所、監督員・監理事務所、資材置場などを乗入構台上に集約させ、病院関係、利用者のアクセスを確保する。工事に必要な電源・用水は新規に外部より引き込みを行い、病院機能に支障がないようにするなどの基本計画により現在施工中である。
なお、実施工にあたっては、改修工事エリア内に切り替え、代替処理のできない医療ガス、消化設備配管、電気配線、カルテ搬送設備、ダクト配管などがトラブル発生の危険要因として残存しているので、次の安全対策も実施している。
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(1) |
既存設備の事前調査の徹底(内装解体前に実施し、施工計画の検討、病院への影響評価の洗い出し) 全JV社員・職長、作業員への工事説明会の開催(各Stepごとに実施) |
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(2) |
残存危険要因(医療ガス配管、電源配線、消化設備配管など)の確認と周知。原則として、工事エリア内の残存危険要因は盛替える。全JV社員・職長、作業員への現地説明会の開催(緊急時の対応も含める) |
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(3) |
内装解体後、既存設備の再調査を実施し、施工計画の見直しをする |
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(4) |
特殊作業(医療ガスの切替・電源の切替・給排水配管の切替・消化設備の切替・ダクト、計装の切替 およびコアー抜き作業、はつり作業)は手術部、検査部が業務のない日(土・日・祝日)とし、緊急時の体制を確立して作業を行う(全JV社員出勤・医療ガスボンベを備えるなど) |
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(5) |
アンカー打ち作業はメタルセンサー付きコードリールを使用する(埋設配管周辺は行わない)作業終了後、運営中手術部などの通電を確認する |
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(6) |
コンクリート部のはつり、コアー抜き作業は事前にレントゲン調査を行い、埋設配管の有無を確認する |
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(7) |
火気使用作業は原則行わない(内装解体作業は火気の使用をしないで実施) 火気使用作業は許可制とし、徹底した管理体制で実施する。塗料などの可燃材は病院建物外に保管場所を設置し、作業終了後収納保管する |
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(8) |
工事エリアは、常に負圧となるよう換気設備を設置する(塵埃・臭気対策) |
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(9) |
トラブル防止安全チェックシートの活用 |
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(10) |
関係者との連絡調整の共通ルールを決め、工事連絡表に基づき連絡調整する |
(11) |
緊急時の連絡体制を確立し、周知する ・ 関係者への連絡体制表の配布、掲示 |
また、改修工事で多量に発生する産業廃棄物の削減対策として、同社で開発実用化されたボード分別装置(TO-BOSSE)を使用することにより、二重張りボードおよびクロス張りボードを分別しリサイクルしている。
工事概要(その1)
工事名称 |
都立広尾病院改修工事 本館改修工事 |
工事場所 |
東京都渋谷区恵比寿2-34-10 |
発注者 |
東京都 |
設計者 |
(株)伊藤喜三郎建築研究所 |
工事監理者 |
(株)伊藤喜三郎建築研究所 |
施工者 |
戸田・小松建設共同企業体 |
工期 |
1999年8月~2002年3月 |
建物用途 |
病院 |
構造 |
鉄骨鉄筋コンクリート造 |
規模 |
地下2階 地上9階 |
敷地面積 |
22,116.00㎡(全体) |
建築面積 |
5,055.40㎡ |
延床面積 |
34,390.72㎡ |
屋根 |
アスファルト保護防水密着断熱工法(〔A1-1〕〔改修あり〕) |
設備 |
別途 |
軒高 |
31.35m |
最高高さ |
40.80m |
階高 |
3.55m |
その他 |
リニアック改修工事(別途:病院発注工事) |
工事概要(その2)
工事名称 |
都立広尾病院改修工事 新館増築工事 |
工事場所 |
東京都渋谷区恵比寿2-34-10 |
発注者 |
東京都 |
設計者 |
(株)伊藤喜三郎建築研究所 |
工事監理者 |
(株)伊藤喜三郎建築研究所 |
施工者 |
戸田・小松建設共同企業体 |
工期 |
1999年8月~2002年3月 |
建物用途 |
病院 |
構造 |
鉄骨造 |
規模 |
地上3階 |
敷地面積 |
22,116.00㎡(全体) |
建築面積 |
741.13㎡ |
延床面積 |
2,120.74㎡(施工床=2,828.17㎡) |
杭 |
PHC杭 C種 L=GL-9.0m 40本 |
外装 |
無石綿押出成形セメント板t=60(フッ素樹脂工場塗装) |
屋根 |
アスファルト保護防水密着断熱工法(A1-1) |
設備 |
別途 |
軒高 |
12.66m |
最高高さ |
14.65m |
階高 |
1階4.6m 2・3階4.0m |
根切深さ |
GL-1.57m |
その他 |
地中障害撤去工事 |
工事概要(その3)
工事名称 |
都立広尾病院改修工事 外構・駐車場工事 |
工事場所 |
東京都渋谷区恵比寿2-34-10 |
発注者 |
東京都 |
設計者 |
(株)伊藤喜三郎建築研究所 |
工事監理者 |
(株)伊藤喜三郎建築研究所 |
施工者 |
戸田・小松建設共同企業体 |
工期 |
1999年8月~2002年3月 |
建物用途 |
駐車場 |
構造 |
アスファルト舗装 |
規模 |
平面駐車場65台(病院全体:101台) |
敷地面積 |
22,116.00㎡(全体) |
面積 |
2,586.00㎡ |
外装 |
目隠しフェンス:カラー鋼板(フレクサラムV6 横型) |
設備 |
外灯別途工 |
根切深さ |
GL-0.95m (GL-0.5m) |
その他 |
既存建物解体工事 |

