鋼管コッターを活用した耐震補強工法を開発
2001年12月11日
戸田建設(株)(社長:戸田守ニ)は、施設を使いながらの耐震補強工事に有利な低振動・低騒音型の補強耐震壁を研究開発し、鋼管コッターを用いた補強耐震壁の構造実験および施工実験を通じてその実用性を確認し、平成13年2月には この工法による施工を実現した。
この工法は、従来の耐震補強工事に欠かせない「あと施工アンカー」に代わり、コアドリルを用いて浅い溝を掘り、鋼管を挿入するので騒音・振動・粉塵を大幅に低減することができる。
同社は、この工法の特徴をいろいろな耐震補強工事に広く展開するため、さらに実験を重ねてきた。その結果、鋼管の埋め込み深さが長いと、コッターの耐力がさらに上昇し、鋼管の全引張強度に達することが分かった。その際、鋼管が伸びることにより、接合部の変形性能が向上することも確認された。
例えば、建物外周部に補強フレームを併設する補強工法があり、既存の架構との接合部に鋼管コッターを設ける場合、既存梁の側面に孔を空けることになるが、幸い肋筋のピッチは200mm~250mmの場合が多く、その間に孔の位置を計画すれば、鉄筋に当たらず十分な埋め込み長さの鋼管コッターが施工できる。また外周部の補強フレームが鉄筋コンクリートでなく、鉄骨ブレースの場合もある。このような場合でも、鉄骨にスタッドジベルを溶接して、鋼管コッターとの間に梁型を設け、軸筋、肋筋を配置することにより、鉄骨ブレースと既存躯体との間接接合を実現することができる。
さらに、既存躯体が鉄骨鉄筋コンクリート造である場合、既存梁の上端、下端の主筋は鉄骨の外側に配置されるのが一般的であり、梁の中心部に鋼管コッターを配置すれば主筋に当たらず、埋め込み長さを十分確保することができる。従って、鉄骨鉄筋コンクリート造の耐震補強には、この工法がまさに最適であることが分かる。
以上にように同社は、鋼管コッターの特徴を最大限に活かした耐震補強工法を、これからも広く展開する予定である。
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コッターは突起物という意味を持つ。部材と部材の接合形式の一種。 |
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あと施工アンカー: |
既存の躯体と新たに設ける躯体との接合面で、両者間の力の伝達を行うために設けられた、ずれ止め用の鉄筋のこと。既存躯体に孔をあけ、鉄筋を挿入、固定し、増設側に所定の長さで定着する。 |
コアドリル: |
既存の躯体から、円柱状の試験片(コアと呼ぶ)を取り出す際に使うドリルで、円形の刃先を回転させて溝状に躯体を削る。刃先にダイヤモンドなどを付け、高速回転させるので、振動・騒音・粉塵の発生が少ない。 |

