2002年5月8日
戸田建設株式会社(社長:戸田守二)は設計施工一貫方式の物件について、「新図面作成システム」を構築し2001年より適用を開始した。
最近「施工図レスシステム(大成建設)」を始め、ゼネコン各社において設計段階と施工段階の情報の流れにおけるシーム(※1)に注目し、このシームをなくすことによって建築物の品質向上・原価低減を目指す動きが活発化してきている。 戸田建設では、設計施工一貫方式の物件に、ゼネコンの特性を最大限に発揮するため、「新図面作成システム」を構築し、2001年春から東京支店にて試行を開始、2001年年末より全店で運用している。 本システムは、
- 作業所長と関係担当者の早期決定
- 設計図と施工図の共通化
という二つの柱と、これらを実現するためのツール類から構成されている。
1.施工ノウハウの設計初期段階への反映
設計者と施工者が同一の会社であるにもかかわらず、VEや仮設工事の段取りなどを理由とした「ゼネコン側の都合による設計変更」が、従前より散見されている。また、いわゆる「生産設計活動」として施工のノウハウを設計に反映するため、工事部門の社員が設計段階から関与することもあったが、一般的なアドバイスしかできないことが多く、十分施工ノウハウを反映しているとは言えなかった。 本システムで作業所長を設計初期段階に決定し、設計に関与させることにより、「実際の仮設・採用工法・施工性」などが反映された図面で契約されるため、契約後の「ゼネコン都合の設計変更」のない、顧客指向の設計となった。 また、作業所長決定と同時に、積算担当者、生産設計(施工図)担当者も決定し、総合力を生かせる体制で設計作業が行われている。

2.設計図と施工図の共通化
設計部門と生産設計部門が設計初期段階から協力することにより、図面の共通化を図った。
- 物件ごとに設計と生産設計で分担表を作成し、作成図面を分担する。
- 平面詳細図などについて、設計図をそのまま修正し施工図とする。
- 階段図は設計図としての詳細図を作成しないで、施工図として作成する。
- 図面共通化により、実施設計以降の作業時間が15%程度短縮される。(現在、データ収集中)

従来一般的に「設計施工情報の一元化」と呼ばれていたものは、設計図のCADデータを施工図のCADシステムに変換して読み込んだり、必要なレイヤー(※2)のみ読み込んだりして施工図を作成するものだった。今回のシステムは、設計図と施工図が同じ約束の下で作成されるため、設計図をそのまま施工図に加工することができる。従来の常識では不可能とされていたことを、設計部門と生産設計(施工図)部門共通の作図マニュアルを作成し、それに従うことで可能となった。
(※1)シーム:継ぎ目。
(※2)レイヤー:折り重なった層のこと。グラフィックスソフトやCADソフトで、一枚の絵や設計図をいくつかのシートに分けて作成し、これを重ね合わせて表示する機能をいう。
