2002年6月17日

―戸田建設と西松建設の業務提携に基づく共同研究―

 戸田建設(株)(社長:戸田守二)と西松建設(株)(社長:金山良治)は、これまでに共同研究開発を進めてきた全方位型免震システム「TN-USIS」に、新たに開発したストッパーを導入し、システムの一層の性能向上を実現した。

 大地震時に災害拠点となる病院や高度情報化施設においては、耐震性能だけでなく地震後の機能維持を目的として免震構造を採用する例が多くなっているが、一般の免震構造では、地震時の水平方向の加速度は大きく低減できるものの、上下方向の加速度が低減できない。そこで両社は機能レベルの高いエリアに上下方向に効く免震床を設置することで、地震時のどのような方向の加速度も低減できる全方位型免震システム 「TN-USIS」を業務提携に基づいて共同研究開発し、一昨年秋に発表した。

 「TN-USIS」の上下床免震装置は、コイルばねとオイルダンパー、鉛直ガイド機構などによって構成されるシンプルなシステムで、このシステムの組み合わせ方により小さな部屋から比較的大きな部屋まで幅広く適用ができる。免震床では一般に、日常の利便性から、小地震では免震装置が作動しないようにストッパーを設けるが、上下床免震では、さらに歩行などでも作動しないための機能が必要となる。このストッパーに、従来は摩擦タイプのものを用いていたが、微妙な調整を必要とするため、今回の改良になった。

 新たに開発したストッパーは固定部、回転部、当り板とから構成されており、機能の調整作業を従来よりも容易にかつ精度良く適格に行えるようにしたもので、このストッパーは、通常は支柱として免震床の自重を支えているが、上向きの力には拘束されておらず、地震時に設定値以上の上向きの変形が生じると、回転部がばねの力で免震床や当り板から外れ、上下方向の免震効果が発揮される状態となる。また、ストッパーとしての機能が外れる設定値は、シミュレーション解析によって求めた最適値になるよう、当り板の水平方向位置を調節することで、容易にかつ適切に調整ができる。

TN-USISの写真

 新開発のストッパーを、実大規模の全方位型免震システムの上下床免震装置に組込み、西松建設愛川衝撃振動研究所の大型3次元振動台を用いて性能確認実験を行い、その結果、通常の歩行時においては十分な居住性を確保していること、地震時にはストッパーが想定通りに外れて免震効果を発揮できることを確認した。また、設置後の積載重量の増減や偏在による免震性能への影響が、シミュレーション解析により予測可能なことも、実験で確認できた。

 今後両社は、病院や高度情報化施設などの重要施設の受注に向けて、今回新たに開発したストッパーを用いた全方位型免震システム「TN-USIS」を適用した営業活動を、積極的に行っていく予定。

*1) TN-USIS : Toda & Nishimatsu - Universal Seismic Isolation System

以上