2002年6月19日

 戸田建設(株)(社長:戸田守二)は、ウォーターフロントに建つ超高層住宅を対象とした基礎「大断面ボックス型コンクート壁構造」を実用化し、現在日本最大級*1である54階建・45階建のツインタワー超高層住宅で施工中である。

 近年,東京臨海地域などのウォーターフロントに超高層住宅が建設されてきているが、ウォーターフロントの地盤は、埋立地が多いので、超高層住宅の構造安全性に対する基礎計画の重要性が増しており、現在同社が東京都東雲地区に建設中である我が国最大級*1の54階建・45階建の超高層住宅「Wコンフォートタワーズ」(事業主:三菱地所(株)・三菱商事(株)・菱進都市開発(株)、図1)では、「大断面ボックス型コンクリート壁構造」を採用して、基礎の耐震安全性を確保した。
(*1:2002年1月現在、タワーマンションで1,149戸の規模は日本最大級である。)

 大断面ボックス型コンクリート壁構造は、箱状の極めて厚いコンクリート壁を超高層住宅の地下構造および杭基礎として用いる構造形式である。その一例を図2に示すと、コンクリート壁を地下階の外周部に配置し、建物の支持地盤に達する深さまで構築する。この壁は、地下階の柱、梁、外壁が内蔵された外周躯体であるとともに、その直下の壁杭の役割を持つ。厚いコンクリート壁同士を壁間継手で繋ぐことにより、一体化された大きなボックス型のコンクリート壁構造を実現する。

 この構造の特長は、厚いコンクリートの大きな箱を基礎に用いることである。したがって、埋立地盤に建つ超高層住宅では、この構造により次の利点がある。

 (1)杭として、剛性および強度が極めて大きいので、耐震安全性が向上する
 (2)地下躯体として、外周の自立山留め壁として利用できるので、地下工事の工期短縮およびコスト縮減が可能である

 「Wコンフォートタワーズ」では、地下階直下の外周部には「大断面ボックス型コンクリート壁構造」(特許出願中)を採用している。コンクリート壁の厚さは、54階棟では1,800mm、45階棟では1,500mmであり、超高層住宅の基礎としては我が国最大級の厚いコンクリート壁である。コンクリート壁は、同社独自の鋼製壁間継手により繋いでおり、一辺の長さが46.5m程度となるボックス型コンクリート壁としている。この壁は、杭として約GL-50m以深の堅固な細砂層に支持させており、コンクリート壁で囲まれた内部および一部の外部の柱下には場所打ちコンクリート拡底杭を配置している。

 「大断面ボックス型コンクリート壁構造」の採用により、地震時において表層地盤による上部構造への地震入力の増大を抑制することができた。さらに、従来の山留め在来工法に比べて、地下工事の工期を30%程度短縮、コストを20%程度縮減することができた。

 コンクリート壁の施工には、同社における最新の地中連続壁工法(TOSSーD工法)を用いており、地下外周躯体および壁杭を同時に構築している。壁が1.8mと厚く、その先端深さが50m以上と深いため、掘削能力に優れたクラムシェル型大断面MEH掘削機を用いている。掘削機の採用にあっては、掘削精度等について事前施工実験を実施して、厚さ2mまでの極厚コンクリート壁の施工について日本建築センター基礎評価を既に取得しており、各掘削孔の形状は、超音波検査により全数確認している。

 壁筋の組み立てには、鉄筋先組工法を用いており、優れた配筋精度を実現している。壁筋は地上ヤードにおいて約50mを超える長さまで組み立ててから、ユニットに分割して、掘削孔に建て込みながら各ユニットを接合してゆく。現在までに、厚さが1.8m、深さが約53m、1日のコンクリート打ち込み量では最大約1,000m3までのコンクリート壁を施工している。

 ウォーターフロントのような埋め立て地盤では、超高層住宅の基礎計画の重要性が高まってきており、このニーズに応えることのできる基礎構造として、「大断面ボックス型コンクリート壁構造」が実用化された。

 今後は、施工性に優れた高品質の基礎構造を提供できるように、地中連続壁工法の施工実績を重ねながら継続的な改良に努めるとともに、基礎構造の耐震解析システムの充実を目指してゆきたいとしている。

大断面ボックス型コンクリート壁構造の例

以上