技研屋上にアメニティ型ビオトープ完成
2002年8月28日
戸田建設(株)(社長:戸田守二)は、技術研究所(茨城県つくば市)屋上に都市部における人と生物の共生と、自然生態系の保全・回復を目的とした、アメニティ型屋上ビオトープのモデル施設を設計・施工し、動植物のモニタリング調査を行っている。ここでは、雨水利用の灌水システムや太陽・風力発電を利用した水循環システムを採用するとともに、人の五感に語りかける仕掛けと演出がなされている。この屋上ビオトープにおける調査データや維持管理ノウハウを、計画・設計技術にフィードバックし、今後、都心部の病院、公共施設、学校、マンションなどへの建物屋上緑化メニューのひとつとして提案していく。
計画地は地上8m、幅約5m、奥行き21mの約100㎡の細長い形状で、「五感を感じるアーバンオアシス」をコンセプトとし、起伏とゆるやかな曲線をつけた歩道沿いに水の湧き出るバードバス、小川、橋、池、パーゴラなど歩いて楽しい変化のある風景を演出している。非管理型のビオトープではなく、人が自然と触れ合えることを前提としたもので、都市生活者が「季節の移り変わりを"見る"」「虫や鳥の声・水の流れを "聴く"」「草花に "触れる"」「花の匂いを "嗅ぐ"」「自然の恵みを "味わう"」といった五感を通して、やすらぎや癒しが得られるような「アメニティ型ビオトープ」を提案している。
植栽は鳥や昆虫のために実がなるもの、花が咲くものを多く選定し、高中木7種類計10本のほか16種類の低木、あぜ道から移植した地被類や野菜・ハーブも植えられている。
植栽基盤は排水マット、人工軽量土壌、有機土壌の3層構造で、発泡材以外の土壌厚は約30cm~40cmを確保している。灌水方式は通常のタイマー付染み出しパイプのほかに、雨水を利用したシステムも採用している。
小川と池を合わせた面積は約15㎡で、水深は深いところで30cmを確保し、池の水はポンプによってバードバスに戻され、木炭および火山砂利による浄化層を通過させ小川を通して池に戻される。この小川には4箇所に小さな滝が作られており、水の流れる音を演出するとともに、酸素供給効率を高める工夫がなされている。この循環ポンプのほとんどの動力は屋上に設置された風力と、太陽電池の発電で得られる電力でまかない、省エネルギー化が図られている。また、水生植物や浮島、観察台、つる植物を這わせた木製パーゴラなどを配置し、夏場の水温上昇を緩和する工夫もなされていおり、この池には現在、水生植物のほかメダカや川えび、タニシが放流され生育観測されている。
今後はインターネット上で遠隔操作できる監視カメラによる観測や、池の水温・PH・EC(電気伝導度)・COD(化学的酸素要求量)の調査も実施し、池の水質維持技術やメンテナンスノウハウを盛り込んだ、「屋上ビオトープ管理マニュアル」を作成していく。
平均重量は1㎡あたり約300kgであり、費用は植栽基盤に植栽、池を含め1坪15万円程度であり、灌水システムなどはオプションとして用意できる。
今後は施主の目的やニーズによって、このアメニティ型屋上ビオトープを屋上緑化のメニューのひとつとして提案していく予定。

