環境に配慮したー60℃超低温冷蔵倉庫を施工
2002年9月17日
戸田建設(株)(社長:戸田守二)は、静岡県島田市においてトライ産業株式会社(清水市)の島田工場を建設している。建設中の工場は東名高速島田インターチェンジから約5分のところに位置し、マイナス60℃の大型超低温冷蔵庫を主体とした食品加工施設となっている。同社は当工場の建設にあたり環境への影響に配慮した工夫をしながら施工を行っている。
大型超低温冷蔵庫は通常コンクリート躯体の内側で断熱する「内断熱工法」を採用することが多いが、トライ産業においては既存本社工場、今回建設中の島田工場双方において、「外断熱工法」を採用している。「外断熱工法」は室内側にコンクリート躯体があり、躯体の外部側に断熱層が設けられることで、より省エネを図っている。外部の断熱材は特定フロンを含まないウレタンのスプレー工法にて形成されており、断熱層が外部側にあるため改修が容易になるなどの利点がある。
外壁の構成は室内側からコンクリート+断熱層+防湿層+空気層+折板タテ張りとなっており、最外部に張る折板を固定するために、コンクリート躯体から断熱層を貫通するアンカーボルトを等間隔に設けてチャンネル下地を流している。アンカーボルトを用いるのはコールドブリッジ(内部の極低温の影響が鋼材などを伝わり外部に顕著に現れること)を極力抑えることを目的としているためであるが、このアンカーボルトだけでは圧縮力に抵抗できないため、通常は熱伝導率の小さい木製角材をアンカーボルトに背負わせて締め付けている。この目的で使用される角材の量は相当量に達しているのが現状だが、今回は自然環境への配慮として木材の使用量を低減することを目的として、木製角材の代替品としてリサイクル製品であるウレタン疑木を採用した。
冷蔵室内は稼働するとマイナス60℃の超低温環境となるが、このような条件の下ではコンクリート表面の補修材などが剥離してしまう危険性があるため、施工中に躯体を傷つけないように十分な養生を行う必要があった。通常、床面については養生材としてコンパネを採用することが多いが、CO2削減や廃棄物削減などの環境的配慮から、養生材としてFRP製せき板を採用した。FRP製せき板は一般型枠合板の代用品として開発されたものでリサイクル方法も確立されている材料である。また、設計的には、1階床に穴あきPC板を用いた合成床工法が採用されており、型枠合板削減の効果をあげている。
冷蔵倉庫建設特有の施工的配慮としては、先のコールドブリッジ対策として、外部足場の壁つなぎ金物について3段階の盛替えを行う方式を採用した。最終段階では外装表面の折板頭部を挟みこむ形式の足場つなぎ部材を用いることでこの問題を解決している。
工事概要
| 工事名称 | トライ産業株式会社島田工場新築工事 |
| 工事場所 | 静岡県島田市中河895-22(中河工業団地内) |
| 発注者 | トライ産業株式会社 |
| 設計監理 | 株式会社朝日設計 |
| 施工 | 戸田建設株式会社 |
| 工期 | 2002年2月16日~2002年10月31日(延 8.5ヶ月) |
| 建物用途 | 冷蔵倉庫(-60°C、8,400t) |
| 構造種別 | 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造 |
| 階数 | 地上2階 |
| 敷地面積 | 16、275.38㎡(4,917.89坪) |
| 建築面積 | 4,155.908㎡(1,255.56坪) |
| 延床面積 | 7,841.041㎡(2,379.17坪) |
| 高さ | 最高 18.78m 軒高 17.8m |
| 基礎形式 | 直接基礎 |
| 外装 | 超耐候性長尺折板 t=0.8 |
| 屋根 | 超耐候性長尺ボルトレス折板 t=0.8 |
| 根切深さ | GL-3.0m |
| 付帯設備 | 電気・衛生・空調・昇降機・外構 |

ウレタン疑木設置状況
