2002年10月8日

 平成13年4月に清掃工場解体方法の新たな規準として「廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止対策要綱」(基発401号の2)が施行された。戸田建設(株)(社長:戸田守二)は、この新対策要綱による清掃工場(廃棄物焼却施設)の解体を2現場で実施している。

 現在、新対策要綱に適合させた清掃工場の全体解体が行われているのは、全国でも5現場程度であり、同社はこの内の2現場と高いシェアを占めている。さらに同社では、解体工事に伴う新技術の開発を進めるべく、建築・土木の技術を総結集させた新規プロジェクトを立ち上げた。これまで培ってきた建設技術のノウハウを基盤とし、2現場の実績を活かしつつ、さらに経済性および施工性に優れかつ安全性の高い解体作業を追求していく。今後、市場拡大が予想される清掃工場の解体工事の受注に向け、新たな技術開発、コンサルタント業務に取り組み、10年間で500億円の受注を目指していく。

【 背 景 】
平成12年1月に施行された「ダイオキシン類対策特別措置法」により、環境基準に満たない清掃工場は、休止または解体となる。その数は、全国の自治体所有分だけでも900基になるとみられている。排出基準の猶予期間の内、大気排出基準は本年(平成14年)12月に、また水質排出基準は明年(平成15年)1月に切れることに伴い、補助金の増額も見込まれる明年以降に、多くの清掃工場の解体工事が発注される見込みであり、この市場規模は約1兆円といわれている。また、これらの工事は平成13年4月「廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止対策要綱」(基発401号の2)に則って行われる。

【 取り組み 】 戸田建設では、これに伴うコンサルタント業務、ダイオキシン類の濃度調査、工事計画、解体工事、ダイオキシン類の無害化・処分、解体物のリサイクル化まで地球環境に配慮し、トータルシステムとして取り組んで行く。

【コンサルタント業務】 基準に満たない清掃工場は、プラントを入れ替える程度の改修工事から、新炉を建設し、既設炉を解体する工事など数パターンの建て替え計画が考えられる。また、建設時には各種補助金を利用している場合が多く、これらの財産処分申請など手続きに手間と時間がかかるのが現状で、解体工事計画においては、ダイオキシン類の濃度調査とその結果をもとに工事管理区域、解体方法、作業員の防護服レベルを設定するなど専門的な知識が必要となる。このように複雑で専門的知識を必要とするコンサルタント業務を行う。

【 技術開発 】 清掃工場の解体工事は、ダイオキシン類の作業員へのばく露防止および周辺環境への飛散防止を最優先とした作業となる。このため、以下のような理由により、ダイオキシン類対策として費用が嵩み、また技術の改善が求められている。

  • 解体作業の前処理として、ダイオキシン類の除染作業(ダイオキシン類が付着した物質を取り除く作業)が必要であり、また除染に使用した水および除去物の適切な処分が必要となる。
  • ダイオキシン類の拡散防護のため狭い区域内での人力による手作業が多いこと、また完全密閉型の保護服を着用するため動きづらく、作業の効率が非常に悪くなり、解体に時間や手間が掛かる。
  • 清掃工場は煙突など細く高い特異な形状の設備や建造物が多く、煙突などは高温によるコンクリート劣化が進行していることなどにより、作業時の安全確保のための設備費が嵩む。

このような状況に対して、戸田建設は、これまで培ってきた建設技術として、

  1. 戸田式カッター解体工法:原子力発電所の解体技術として開発した工法で、振動、粉塵がなく、安全で作業性の高い技術である。清掃工場の解体への適用として、煙突などコンクリート構造物の解体に応用できる。
  2. 濁水処理設備:トンネル工事、シールド工事の排水処理として使用する設備であり、解体工事への適用として、洗浄水のリサイクル設備として応用できる。
  3. 建設用仮設テント:建設物の全体を覆うことで全天候型の作業環境を保持する設備であり、解体工事への適用として、ダイオキシン類の拡散防止のための仮設防護として応用できる

 などがあり、前述した実績の解体工事においても、煙突内や配管内の自動洗浄方法や重機運転席の防塵対策、排水処理設備による洗浄水のリサイクル利用などを実施している。 さらに、新規プロジェクトでの解体技術への取り組みとして、

  1. 煙突等躯体の解体技術:ワイヤーソーイング工法などを用いた切断技術の開発
  2. 区画内での解体技術:開閉式屋根養生システムや重機運転席防塵装置
  3. 除染工事:高性能の煙突内3次元除染装置や配管内自走除染装置
  4. 除染排水の再利用技術:排水再利用処理装置および凝集剤の開発
  5. ダイオキシン類の無害化技術:ダイオキシン類汚染水無害化システム

などを進めている。
また、平成12年5月31日に公布された「建設工事に係る資材の再資源化に関する法律」(建設リサイクル法)における「分別解体等及び再資源化等の実施義務に関する規定」(平成14年5月30日)に則り、解体による発生品は最大限のリサイクル(再資源化)を行う。

戸田式カッター工法

以上