2002年10月15日

三菱重工・戸田建設「すいすいMOP工法」を開発 右折車線確保で二次渋滞解消

 三菱重工業(株)(社長:西岡 喬)と戸田建設(株)(社長:戸田守二)は、立体交差工事の施工期間中に増大する交通渋滞(二次渋滞)の解消に向けた新工法「すいすいMOP工法」(Module On Pier)を開発した。

 これまで各社が発表している新工法は、いずれも工期短縮に主眼があったが、同工法では、二次渋滞の解消という新たな視点から、立体交差整備を捉えている。幅員25mの4車線道路に2車線の高架道路を施工する場合、工事中に右折車線を確保することは困難であったが、同工法では施工時占用領域をコンパクト化することで、交差点部に右折車線を確保することが可能だ。試算では、幅員8mの2車線高架道路を施工する場合、現地工期は約4.5ヶ月で、工事費は従来工法と同程度になる。

 高架道路は、主橋梁部と取付部からなり、主橋梁部は鋼製の橋桁と橋脚柱、取付部は盛土で構成されている。主橋梁部施工における大きな特徴は、三菱重工の保有技術である「モジュール桁工法」と戸田建設の保有技術である「橋脚柱先行建て込み工法」を組み合わせた点にある。

 モジュール桁工法は橋桁(上部工)のコンパクト化技術であり、上部工を道路横断方向に折りたたんだ状態で、運搬から据付けまでの一連の架設作業を行うことができる。これにより、道路上の施工時占用幅が縮小し、交差点部における右折車線の確保が可能となる。「橋脚柱先行建て込み工法」は、鋼製橋脚柱と基礎杭を機械的に先行接合することで、基礎コンクリート工事の工程をあと廻しにできる技術である。この技術の活用により、上部工と下部工の同時並行作業が可能となり、大幅な工期短縮を実現する。
 取付部施工では、盛土の側壁に、景観プレキャストパネルを用いたタイロッド式擁壁構造を採用しており、工期短縮とコスト縮減を図っている。また、盛土材は基礎工事の施工時に発生する掘削土を活用し、掘削土の場外搬出を抑えた環境配慮型の施工を行う。
 同工法での施工手順は、次のとおりである。先ず、杭打ち工事などの基礎工事を完了した後、取付部用地に門型油圧揚上機を設置する。一径間分の橋桁は、門型油圧揚上機により、折りたたんだ状態で移動多軸台車に積み込まれ、橋脚柱を搭載した別の移動多軸台車とともに所定位置に運搬される。次に、移動多軸台車に装備されたリフトアップ装置により、橋桁を上昇させ、橋桁と橋脚柱を接合する。その後、橋桁を降下させ、橋脚柱を基礎部に固定する。移動多軸台車は、取付部用地に戻り、次の径間分の橋桁を積み込む。折りたたまれた橋桁は、基礎コンクリートを打設した後、夜間に、一部道路を規制しながら展開・固定する。

 三菱重工と戸田建設は、今後、都市部の道路交差点や踏切部に同工法を積極的に提案し、都市部の渋滞緩和に貢献したい考え。東京都では、上・下部一括発注方式による立体交差工事が既に採用されており、縮小する公共事業において市場を確保するため、このような発注方法の変化にも柔軟に対応していく方針である。


主橋梁部の架設イメージ図

以上