2002年11月13日
戸田建設(株)(社長:戸田守ニ)は、東京都足立区六町のつくばエクスプレス(常磐新線)六町駅(仮称)【戸田・東亜・西武・東武谷内田JV】で、N値1~2の軟弱地盤かつ被圧水下の深さ19mに埋設されている外径φ6,600mmの下水幹線の真下50cmにボックストンネル(幅18m、高さ10m、長さ15m)を構築するに当たって、角形鋼製エレメント密閉型推進工法を考案し掘削することに成功した。
この工法は、横断する個所の両端をあらかじめ開削工法により掘削し、ここから軸直角方向に力の伝達が可能な継手を有する角形鋼製エレメントを相互に連結しながら順次地中に押し込み、軸直角方向に曲げ剛性を有する三連ボックス形状の仮設土留めを構築し、その中を掘削するものであり、直上の下水幹線に与える影響を最小限にでき、ボックストンネル下端に作用する高被圧地下水に対する特別な盤ぶくれ対策が不要で、掘削時における支保工、中間杭が不用であるため、施工方法がシンプルとなり工期短縮、工費の節減が図られるなどの利点がある。
近年、大都市部においては道路の地下空間が埋設物で輻輳している。また、移設が困難な大規模かつ重要埋設物もある。このような場所に道路横断地下構造物を新たに構築しようとする場合は、地盤が崩れないように山留めを行いながら道路上から掘削する開削工法が困難となる。さらに、深度化によって地下水対策も必要となる。このような場合には、道路上から掘削しないで道路の側方に立坑を設け、この立坑から地中を直接掘削する非開削工法によることになる。
非開削工法にはいろいろな工法があるが、道路下の横断工法として、掘削延長が比較的短くて断面が大きく、かつ作業立坑スペースが十分得られない場合には非開削工法の中からエレメント推進(牽引)工法が採用される場合が多い。本工法は、エレメント推進(牽引)工法の中でも、軸直角方向で荷重を負担できるという特徴を持っている。
本工法の特徴としては
- 軸直角方向に力の伝達が可能な継手を使用するため、エレメントを支える主桁や橋台、中間杭、土留支保工などが不要となるとともに、トンネル延長と無関係にエレメント断面が決定できる。
- 密閉型セミ・シールド機と継手付き角形エントランスの組み合わせで、被圧地下水の中でも施工ができる。
- ジャンクションカッターを装備したことで、硬質地盤でも継ぎ手部の抵抗を減じることができる。
- 施工方法がシンプルとなり、工期の短縮ができる。 などがあげられる。
本ボックストンネルは、角形鋼製エレメント(□0.85m×0.85m(0.87m))68本を連結した三連ボックス構造体(□17.85m×10.01m)である。
この工事は、軸直角方向に力を伝達できる強度を持ちながら、お互いにかみ合いながら押し込むことのできる継手の開発、角形エントランスの製作、推進機へのジャンクションカッターの装備、高い推進精度などにより成功した。
矩形断面地下空間の構築を可能とした継手は、必要強度の算定、FEM解析(※)による形状および寸法の検討、施工上の必要余裕代の検討、継手単独引張試験、実物大載荷試験を経て開発されたものであり、また、高被圧地下水下での推進を可能とした角形エントランスは、三分の一模型実験、実物大実験を重ねて角形止水ケースとゴムパッキン積層構造と加圧充填止水材から構成されるものを製作して使用した。
最後のエレメントには施工誤差が集約されるため、通常継手による閉合が困難となる。本工事では、推進の精度管理、方向修正を行うとともに閉合個所の5エレメント前からメス継手の台座を加工して誤差を分散させることで、閉合することができた。
本技術は、トンネル延長が長くなり土被りが大きくなるなど、条件が悪くなればなるほどその優位性が発揮されると考えられる。
(※)FEM解析(有限要素法):地盤やコンクリート、鋼構造体などの連続体を細かく分割し、その分割したそれぞれの有限要素について近似的に応力と変形との関係を求め、最終的に構造体全体の応力と変形を解析する計算方法。分割数が多いと精度が上がるため、コンピュータが利用される。
工事概要
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工事名称:
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常新、六町St(南)他1 | |
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工事場所:
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東京都足立区六町一丁目~四丁目 | |
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発注者:
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日本鉄道建設公団 東京支社 | |
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施工者:
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戸田・東亜・西武・東武谷内田JV | |
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工事概要:
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工区延長 L=188m(つくばエクスプレス秋葉原起点11,817m~12,005m) | |
| 躯体構造 | 加平トンネル部 地下1層構造 L=113m(非開削部含む) | |
| 駅舎部 地下3層構造 L=75m | ||
| 中川汚水幹線横断部推進工 | ||
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口径:
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□850mm×850mm(上床、下床エレメント) | |
| □850mm×870mm(側壁、中壁エレメント) | ||
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推進延長:
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14.3m/本×68本=972.4m | |
| 三連ボックス出来上がり寸法:□17.85m×10.01m | ||
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工期:
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1999年1月~2003年3月 | |

