2002年11月27日

岡山操車場跡地公園(仮称)整備に係る全天候型多目的球技場

 戸田建設(株)(社長 戸田守ニ)は、岡山市が進める西部新拠点地区計画の交流ゾーンの中心的施設として、岡山操車場跡地に建設中の全天候型多目的球技場(岡山ドーム)の鉄骨建て方で、タイビームへの積極的な張力導入(TO-MPS)工法を採用して無事鉄骨工事を完了した。

 岡山ドームは、岡山市から2000年9月に「公募型事業プロポーザル方式」で石本・戸田共同企業体に発注された。規模は、建築面積9518.18㎡、延べ床面積9890.69㎡で、南側に全面アルミカーテンウォールで構成された大開口部があり、屋根は膜屋根で長径114m、短径95m、高さ37.8mの球面屋根となっている。

 屋根架構は鉄骨造2方向直交格子グリッドドームとなっており、東西方向にメインフレーム、南北方向にフィーレンディールトラスと称するH形鋼を主材としたトラスで構成されている。南側の大開口部には補強アーチと称するH形鋼を主材としたトラスを設け、南北方向のフィーレンディールトラスを支持している。補強アーチの変形及び水平スラスト(水平方向に押し広げる力)は、タイビームと称するH形鋼の水平部材に張力を導入し水平力を処理している。

 鉄骨工事では、このタイビームに張力を積極的に導入し、補強アーチをむくり上げることにより(TO-MPS工法)ジャッキダウン工事(仮設構台などで受けていた屋根荷重を本体鉄骨へ移行させる工事)を簡略化した(特許申請中)。

 一般的なジャッキダウン工事は、仮設構台に取り付けた油圧ジャッキで補強アーチを押し上げ、仮設構台と補強アーチとの間にセットされたライナープレートを取り除き、補強アーチを下げるという作業を繰り返し行い、仮設構台と補強アーチを切り離していた。TO-MPS工法ではタイビームに張力を積極的に導入し、補強アーチをむくり上げることにより仮設構台の油圧ジャッキなしでも仮設構台と補強アーチの切り離しが可能となり、工期短縮と安全作業が実現できる。

 本工事では、タイビームへの張力導入(約240トン)で、補強アーチ(鉄骨重量450トン)の足元で8cm、補強アーチの頂部で6cmの変形を与えジャッキダウン工事を行なった。この数値は、施工時解析結果とほぼ一致した。

 鉄骨工事では、建方精度を確保するために三次元計測器を使いながら建方を実施し、座標管理と共に計画されたポイントにおいて、ひずみゲージを取り付けて鉄骨自体の応力を計測しながらジャッキダウン工事を行なった。これらの結果も、ほぼ解析結果と一致した。

工事概要

工事名称 岡山操車場跡地公園(仮称)整備に係る全天候型多目的球技場新築工事
工事場所 岡山県岡山市北長瀬表町一丁目1-1
建築主 岡山市 岡山市長 萩原 誠司
主要用途 スポーツ練習場、観覧場(全天候型多目的球技場)
構造規模 RC・SRC・S造 地上2階 地下0階
       膜屋根構造:押えケーブル方式
敷地面積 99,230.74㎡
建築面積 9,518.18㎡
延床面積 9,890.69㎡
軒高 リング高さGL+5.4m
最高高さ 37.8m
屋根 四ふっ化エチレン樹脂コーティングガラス繊維A種
外装 コンクリート打ち放しの上浸透性吸水防止剤クリア塗装
設計 株式会社石本建築事務所大阪支所
       戸田建設株式会社(設計協力)
施工 戸田建設株式会社
工期 2001年9月21日~2003年3月15日
  岡山ドーム 架構形式

岡山ドーム 架構形式

以上