基礎工事の工期が20%短縮可能に
2003年3月19日
戸田建設(株)(社長:戸田 守二)を幹事会社とする14社は、基礎構造の大幅な合理化を実現するため、従来は仮設構造物であったソイルセメント柱列壁の本設構造物としての使用を可能としたソイルセメント本設パイル(PSP:Permanent Soil Cement Mixing Pile)工法を共同開発し、平成15年3月4日付で(財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得した。
この工法は,高濃度のセメントミルクを地盤に注入しながら、削孔、攪拌混合して造成したソイルセメント柱に力を伝えるための鉄骨を挿入し、その先端支持力および周面摩擦力により建物を支える工法で、施工は仮設の山留め壁であるソイルセメント柱列壁を造成するのと同じ施工機械を用いるが、施工管理、品質管理をより厳密に行うことにより、建物を支持することができる本設の構造物としている。
本工法は、山留め壁と同時に連続して施工することが可能であり、掘削工事における仮設の山留め壁と兼用できることから、建物の外周部には従来工法のように山留め壁とは別の杭を打設する必要がなくなり、大幅な基礎工事の工期の短縮およびコストダウンが可能になり、さらに資源の有効利用による環境負荷の低減にもつながる。
共同開発は平成13年3月より2年間余にわたって実施し、支持性能を確認するための載荷試験をはじめとして、施工性確認および品質管理手法確立のための施工試験、造成したパイルの掘り出し調査、さらに各種の構造実験および解析的検討を行い,本設の支持構造物としての性能・品質を確認し、品質管理方法を含む設計手法・施工方法を確立した。
本工法は、ソイルセメント柱列壁と同じ施工機械を用いているが、支持性能確保のため、特に先端部に注入するセメントミルクの濃度を高くし、ソイルセメントの強度として平方ミリメートルあたり5ニュートンを確保し、さらに品質確保のため攪拌混合する回数も増やしていることが特徴で、セメントミルクの配合、攪拌回数などの施工水準は施工実験に基づいて標準化している。
本工法では、建物からの力がソイルセメント柱中に挿入した鉄骨に伝わった後、ソイルセメントと鉄骨の付着力および先端に配置したコネクタ(at頭付きスタッド)の抵抗力によりソイルセメントへ、さらにソイルセメント周面および先端の地盤へ伝達する。標準的な仕様である直径55センチメートルのパイルでは1本あたりの支持力は一般的な支持層であるN値50の地盤で1,000キロニュートン、直径90センチメートルでは2,000キロニュートンだが、1本あたりの支持力が不足する場合でも3本組あるいはそれ以上を一度に施工できる施工機械の特性を生かして壁状に連続して配置することにより、必要な支持力を確保することが可能である。また、ソイルセメント周面の摩擦抵抗により地震時の引抜きに抵抗可能であり、さらにソイルセメント柱中に挿入した鉄骨により地震による水平力にも抵抗できる。
試算によれば地上3階、地下1階、建築面積600平方メートル、パイルの長さ20メートルの程度の建物で本工法を適用した場合、外周部も従来工法による杭を打設した場合に比べ、基礎工事の工程は50日強から40日弱と20%以上の短縮となり、コストも最大5%減となる。
共同開発会社14社では、本工法の実物件への適用をはかり、基礎工事の一層の合理化、環境負荷の低減を進めていく予定。
なお、共同開発の14社は幹事会社の戸田建設のほか(株)青木建設(社長:市木 良次)、(株)淺沼組(社長:淺沼 健一)、安藤建設(株)(社長:沖田 幸作)、大木建設(株)(社長:野澤 義勝)、(株)奥村組(社長:奥村 太加典)、(株)鴻池組(社長:鴻池 一季)、五洋建設(株)(社長:加藤 秀明)、住友建設(株)(社長:辻本 均)、(株)錢高組(会長:錢高 一善)、鉄建建設(株)(社長:山本 卓朗)、西松建設(株)(社長:金山 良治)、(株)松村組(社長:得田 芳宏)、三井建設(株)(社長:清 昇)(50音順)

「鋼製RC柱」を採用した超高層住宅「Wコンフォートタワーズ」
