2003年7月18日

 戸田建設(株)(社長:加藤久郎)は、かねてから提携関係にあるフィンランドのフォルツム社から、放射性廃棄物処分施設やエネルギー地下貯蔵施設に適用可能な掘削影響調査技術を導入した。

 放射性廃棄物処分施設やエネルギー地下貯蔵施設では地下施設の遮蔽性が求められるため、掘削による周辺岩盤への影響を把握することが重要である。本システムは、地表とボーリング孔内に計画的に配置した地震計により、掘削によって発生する微小地震の発生位置を高精度に検知し、その情報から掘削の影響を受けている岩盤を把握する。また、放射性廃棄物処分施設空洞の閉鎖後においては、廃棄物からの熱の影響による岩盤の応力変化の影響や、再冠水時の岩盤の挙動などを監視することができる。

 フォルツム社は、フィンランドの国際的な総合エネルギー会社であり(2002年度売上高1兆5千4百億円、従業員14,053人、別紙参照)、原油、LPガスなどの地下貯槽を多数保有する他、原子力発電所をロビーサ(南海岸、ヘルシンキ東北東130km)に所有し、発生する放射性廃棄物の管理、処分をフィンランドの法律により任されており、同原子力発電所の近傍の地下110mに低中レベルの放射性廃棄物地下処分施設を建設し、操業もしている。高レベル放射性廃棄物についてはTVO社と共同でポシヴァ社を設立し、処分施設の計画も進めている。高レベル処分施設は2001年5月にオルキルオト(西海岸、ヘルシンキ北西200km)に立地決定し、来年夏に処分施設の一部となる地下実験施設のアクセストンネルの掘削を開始する。

 本システムはフォルツム社のロビーサ地下処分施設で適用され、掘削によって誘発された微小地震を多数観測した。その分布から掘削によって影響を受けた岩盤のウィークゾーンを検出し、良好な結果が得られたことから、ポシヴァ社の高レベルの地層処分施設(地下400~500m)でも採用され、すでに地上部分にセンサーを設置し、測定を開始している。システムは双方向に遠隔操作され、ヘルシンキの本社事務所でデータ収集、分析する他、センサーの感度の設定など測定システムを遠隔操作している。戸田建設では、フォルツム社がセンサーの配置や設定など測定計画に豊富なノウハウを保有し、システムの完成度も高いことから本技術を導入し、フォルツム社と共同で本システムの国内での展開を図る。

 戸田建設はフォルツム社(旧社名ネステ社)と1978年に原油、LPG(液化石油ガス)の地下貯蔵の分野で技術協定を結んで以来、25年にわたり技術協力関係を継続している。同社では、今後も継続的な人的交流により、フィンランドの技術を軸に放射性廃棄物処分施設建設の技術課題に取り組む方針である。

フォルツム社の会社概要
□資本金:18,954億円
□従業員:14,053人
□売上高:15,350億円(2002年度のデータによる。1ユーロ=137.7円で換算)
□業務の範囲:

  1. 発電、売電および電力・熱の供給(原子力発電所51万KW×2基保有)
  2. 電力・熱供給プラント、放射性廃棄物施設の設計、計画、建設、保守管理、およびコンサルティングサービス
  3. 環境負荷低減施設の設計、計画、建設、保守管理およびコンサルティングサービス
  4. 石油・ガスの開発・生産、石油精製および石油製品の販売
  5. 天然ガスの輸送・供給・販売
  6. エネルギー貯蔵・備蓄施設の設計、計画、建設およびコンサルティングサービス
  7. 化学製品、化学樹脂、塗料、新素材等の生産・販売

システムの概念図

以上