仕上げモルタルを斫らず居たまま耐震補強を実現!
2003年10月21日
戸田建設(株)(社長:加藤久郎)は、平成15年9月2日財団法人日本建築総合試験所より鋼管コッター工法の建築技術性能証明書を取得した。
鋼管コッター(TO-STC)工法は同社が平成11年より開発を進めてきた耐震補強工法であり、従来の耐震補強工事に用いられてきた、あと施工アンカーに代わり、専用コアドリルを用いて円環状の浅い溝を掘り、鋼管を挿入し接着剤で固定するという、低騒音・低振動・少粉塵を可能にした実用的な工法である。
この工法の特徴として
- コンクリートの鉄筋かぶり厚さの範囲内にコッターを挿入するので、既存建物の柱・梁の主筋を傷めることがない。
- 鋼管コッターは、あと施工アンカーに比べて、固体伝搬音の影響が小さく低騒音・低振動なため、人が居たまま補強工事が可能になる。
- 既存躯体に仕上げモルタルが付着している場合、モルタルの健全性と強度の確認を条件に、モルタルを斫らずにそのまま施工できるので、粉塵が発生しない。
- 鋼管コッターは、あと施工アンカーに比べて1箇所当りの耐力が大きく、本数を1/2以下に減らすことができるので施工能率が上り、コストダウンにつながる。特に既存躯体がSRC造の場合、大幅なコストダウンが図れる。
- 鉄骨鉄筋コンクリート造の補強工事では、あと施工アンカーが躯体内の鉄骨に当り、施工困難となる場合があるが、鋼管コッターにはその問題は生じない。
- 鋼管コッターは、鉄筋コンクリートの増設耐震壁に用いるほか、鉄骨ブレース増設部にも用いることができる。
同社では、これまで種々の構造実験、施工実験をもとに、工法の開発・整備・改良を重ね、実施物件に適用してきたが、この工法の第三者による技術評価を目指して、平成15年7月1日財団法人日本建築総合試験所に建築技術性能証明の審査を申請した。このたび、審査が終了し建築技術性能証明書が発行されたものである。
同社は、今後この工法の利点を社内外にアピールし、使いやすい設計施工の手引き書を作成し、各種耐震補強工事に広く適用をはかっていく。
<用語の定義>
鋼管コッター
コッターは突起物という意味を持つ。部材と部材の接合形式の一種。本工法では鋼管をコッターとして使っている
あと施工アンカー
既存の躯体と新たに設ける躯体との接合面で、両者間の力の伝達を行うために設けられた、ずれ止め用の鉄筋のこと。既存躯体に孔をあけ、鉄筋を挿入、固定し、増設側に所定の長さで定着する。
コアドリル
既存の躯体から、円柱状の試験片(コアと呼ぶ)を取り出す際に使うドリルで、円形の刃先を回転させて溝状に躯体を削る。刃先にダイヤモンドなどを付け、高速回転させるので、振動・騒音・粉塵の発生が少ない。
