2003年12月11日
戸田建設(株)(社長:加藤久郎)と西松建設(株)(社長:國澤幹雄)は、鉄道、地下鉄などの振動によって生じる固体音の建物への影響を低減する方法として、免震構造が有効であることを実証した。
これまで、戸田建設が実際の免震建物で、免震ゴムが固体音の周波数領域における鉛直方向の減衰に有効であることを確認して、実際の集合住宅2物件に適用し、その有効性を確認しているが、その減衰値をどのような方法で予測するかが残された課題であった。この課題を解決するために、共同研究の「固体音予測技術の開発WG」で研究開発を推進してきたが、この度、モデル実験および実在建物における実測により減衰値の予測方法の有効性を確認した。
共同研究の第一段階として、反力床に免震ゴムと「コンクリート部材+錘」で一自由度系の振動モデルを構築し、モデル加振実験を行った。その結果、
(1) 積載荷重を変化させたときの固有振動数は、一自由度系の振動モデルの理論計算値と一致する
(2) 低周波数域の減衰値は、理論計算値と実験値とはほぼ一致する
(3) 高周波数域の減衰値は、各部材の固有振動の影響で理論計算値より小さくなるの諸点が確認され、減衰効果は一自由度系の振動モデルによる理論計算により説明できることが判明した。
この実験結果を踏まえて、第二段階として、免震建物と非免震建物の振動伝搬特性を測定し、免震ゴムの有効性を再確認するとともに、実際の鉄道、地下鉄の振動による建物の実測値と一自由度系による理論計算値との関係を検討した。その結果、固有振動数10Hz程度の通常の免震建物では、鉄道、地下鉄の主成分である63Hz帯域の減衰値は、
「一自由度系振動減衰の理論計算値 - 10dB」
で予測可能であることが導出された。
今後、これらの結果を実務の予測計算に組み入れ、鉄道、地下鉄等の振動による固体音の影響を無視できない建築物の営業に役立てていく方針である。

試験体モデル

免震ゴム減衰特性の理論計算値と実験値との関係(積載荷重:10.8t)

免震建物と非免震建物の構造概要

免震建物と非免震建物の振動伝搬特性(地盤加振時)

免震ゴム減衰特性の理論計算値と実測値との関係(地下鉄、電車実振動源)
