2004年3月18日

 戸田建設(株)(社長:加藤久郎)は、建物の維持管理、設備機器、什器管理を主な目的とした施設管理支援システム(CAFMシステム)を実用化した。

 このシステムの利用により、建物の維持に関するデータや、機器・什器管理に必要なデータベースの容易な構築と維持が可能となった。

 システムの特長しては、従来のCAFMシステムでは、データベース構築に専門的な知識が要求されるとともに、図面上にデータを登録・配置するには、CAD操作の経験が要求されたため、データベース構築やカスタマイズに手間と費用が掛かるとともに、データの追加・修正などのメンテナンス要員の確保が大変であった。この施設管理支援システムは、市販の汎用の簡易作図ソフトと表計算ソフト、データベースソフトを組み合わせ、機能付加することにより使い易いソフトとなった。

 建物管理としては、建物のCAD図面、減価償却の関連データ、部屋データ、光熱費データなどを登録し、建物の減価償却管理、スペース管理、光熱費管理を行う。また、機器管理としては設備機器、事務機器、什器などを登録し、設備機器や事務機器の一覧、機器メーカーや寸法、重量、設備容量などの主要諸元、リース状況、修繕・更新状況、減価償却資産などが画面上で把握できる。さらに、検索機能により、検索した機器のリスト作成と帳票出力により、台帳管理をすることも可能である。

 操作の流れとしては
(1) 建物のCAD図面の取り込みと部屋データの入力
(2) 機器の部品としての登録と配置。機器の基本情報(名称、メーカー、寸法、資産価格など)、メンテナンス情報(補修費用、補修内容など)の入力
(3) 入力されたデータのデータベースへの登録
となる。

 この登録により、機器類は配置された部屋情報とリンクするため、図面上で機器を別の部屋や階に移動した場合には、機器のデータベースの中にある配置情報も自動的に更新される。また、データベース上で登録し、これを図面上に一括して配置する機能を設けているため、初期に大量のデータを登録する場合などには、効率の良い作業ができる。資産管理などには帳票出力も必要となるため、検索画面を通して帳票出力やEXCELデータへの出力ができる。

 このシステムは茨城県つくば市に所在する同社の技術研究所の建物、設備、実験機器の管理に導入。管理事務棟や実験棟など複数の建物の大型構造実験設備や、材料、音響などの様々な実験機器をこのシステムで一元的に管理している。従来は、同研究所の施設管理者が建物および設備機器と実験機器の資産管理を台帳で、実験機器類の修理・メンテナンスは、担当研究者の管理によっていたため、一元的な把握が困難であったが、このシステムの導入により、施設管理者と研究者のネットワークを通じての情報共有が実現した。これにより、建物・設備や実験機器の現在の配置や管理状況が速やかにわかるとともに、将来的な費用発生や、減価償却の予算策定、点検整備の費用予想などにも利用できることとなった。

 同社ではこのシステムを、大学病院における情報システム関連の機器配置の設計にも利用している。この作業は、数千台にのぼる情報端末やアウトレットの配置の検討作業であったが、これを効率的に行うとともに、施工段階へのデータとしても活用を図ることができた。

 今後、建物のライフサイクルマネジメント(LCM)の一部として、LCC(ライフサイクルコスト)システムや、建物診断技術とともに病院や学校などの施設管理に対し、積極的な活用を図って行くとしている。


機器配置・機器データ画面


機器配置・機器データ画面

以上