非開削地中拡大工法の新たな主役
2004年5月12日
―既設地下壁内側から半円筒状にくりぬく新技術―
戸田建設(株)(社長:加藤久郎)と三菱重工業(株)(社長:佃 和夫)は、非開削で地中を拡大する汎用工法「さくさくSCOOP(スクープ)」(Scoop-Spread-Shield)工法を開発した。
地上および浅深度地下利用が過密な都市部での地下構造物建設では、立坑構築などの開削工事においても、地上利用を極力阻害しない方策が求められ、地上占用領域の縮小や期間の短縮が社会的要請として重要課題となっている。また、大深度地下利用が今後進むにつれ、地下空間の部分拡大は非開削が前提となる。同工法はこれらの課題解決のために、必要最小限の大きさで開削構築した立坑や、既存地下構造物の内部から効率的に非開削で地中拡大する汎用的方法を提供するものである。
同工法の大きな特長は、密閉式シールド技術を応用した掘削装置を、既存地下構造物の外壁面内側にセットし、半円筒状に地山をくりぬくことで非開削地中拡大を実現できるため、掘削装置を回収し転用できる点にあり、目的に応じて縦型と横型のモードメニューを有する。
一般的な施工手順は次ぎの通りである。
(1) 拡大対象個所の壁面を額縁状に補強した後に、開口部を薄壁化し、掘削機を回転掘削するための反力支持部材を設置。
(2) 掘削装置と1ピース目の覆工体を一体化し掘進を開始、地山掘進とともに覆工体を既存空間内で継ぎ足しながら推進ジャッキを併用して押し込み、半円筒状の拡大空間を構築。
(3) 既存空間内に装置到着後、装置解体回収
また、同工法のメリットとしては次ぎのようなことが上げられる。
(1) 地上占用スペースや既存埋設管の切りまわしを回避できる工法であり、工事中の地上利用制限を大幅に緩和できる。
(2) 密閉式の工法であり、施工の安全性が高い。
(3) 掘削土量や地盤改良などの補助工法が低減できるなど、環境的にも優しい工法である。
(4) 装置が転用可能であるため、コスト負担が比較的少なくて済む。
(5) 本体構造として構築できるため、工期の短縮につながる。
(6) 大断面道路トンネルの立坑構築法、分岐・合流部および非常駐車帯の拡幅技術、既存地下施設全般の非開削拡幅技術など、幅広い用途に適用できる。
同社と三菱重工は今後、都市部の地下工事に同工法を積極的に提案し、工事に伴う都市機能へのダメージ緩和に貢献したい考えだ。
非開削地中拡大技術:さくさくSCOOP(スクープ)工 法

1)大断面道路トンネル立坑のコンパクト化(縦型モード)

2)分岐・合流部の非開削施工法への応用(横型モード)
