2004年9月1日
戸田建設(株)(社長:加藤久郎)は、200mを超える次世代型超高層集合住宅構法「TO-CFT」用に新たに開発した「Super CFT」柱の実大モデルでの施工実験を行い施工サイクルの確認とコンクリート品質・充填性に問題ないことを確認した。
「Super CFT」柱は、コンクリート充填鋼管(CFT)柱の充填コンクリートを高強度化し、さらに高強度鉄筋を挿入したもので、耐力・靭性(変形性能)に優れ、断面を小さくすることが可能となる。柱断面を小さく抑えることで、超高層集合住宅でも有効床面積を広く確保することが可能となり、より良好な住環境を実現でき、200m超えの超高層集合住宅が90cm角程度の柱断面で実現できる。
超高層集合住宅の柱は、地震時に大きな軸方向力と水平力を受ける。一般のCFT柱は鋼管の厚みを大きくして耐力を増強するが、「Super CFT」柱は、高強度鉄筋を挿入することで、外周の鋼管厚を厚くすることなく地震時の大きな軸方向力と水平力に対する耐力を増強し、耐力・靭性さらに経済性にも優れた柱を実現した。鋼管は角型鋼管、丸型鋼管のどちらにも対応できる。構造性能については縮尺モデルの柱単体と十字型試験体による構造実験により確認していた。
柱・梁接合部のダイアフラムは梁通し形とし、ダイアフラム中央部に断面の約1/2の大きさの円形開口を開け、開口部端をリブ補強することで耐力を確保し、ダイアフラムの柱からの出寸法を柱の仕上げの中で収まるように極力小さくし、住宅内部空間への影響が出ないようにしている。
実大モデルは、柱を60cmの角型鋼管の3層モデルとした。施工サイクルは、各節ごとに地組ヤードで鉄筋を鋼管に挿入し、鉄骨と鉄筋は同時に建て方を行い、鉄筋の接合が工程に影響がないことを確認した。コンクリートの打設方法は、圧入工法と落し込み充填工法の2通りの工法で、鋼管内にコンクリートを充填した。なお圧入工法では、誘導管(コンクリート圧入の際,鋼管内部でコンクリートが円滑に上昇できるようにするために、鋼管内部に設置された曲がった形状のパイプ)を省略した。充填コンクリートの設計基準強度は60N/mm2、スランプフローは65cmとした。鉄筋はD32とし、継手は35dの重ね継手、鉄筋間隔は最小値とした。
施工実験では、鋼管に作用するコンクリート側圧の測定、鋼管に生ずるひずみの測定、圧入工法時のコンクリート圧送圧の測定、CCDカメラを用いた鋼管内部のコンクリート充填状況観察などを行い、鉄筋があっても通常のCFT柱と変わらない施工性であることを確認した。コンクリート硬化後には鋼管を切断し、ダイアフラム下面や鉄筋継手部分にコンクリートが密実に充填されていることを確認した。また、コアボーリングによりコンクリート供試体を採取し、目標性能を満足する構造体コンクリートが得られたことを確認した。
同社では,現在数物件で性能評価や評定を取得し施工準備を進めている。今回の実大施工実験の成果をもとに、施工管理基準を作成し水平展開を図るとともに、採用物件を超高層住宅だけでなくスパンを大きくとる事務所、ホテル、商業施設、再開発の複合ビルなど様々な建築物に広げていくつもりである。

TO-CFT架構 柱-梁接合部 構造模式図

実大施工実験全景

鉄筋継手部充填状況
