2004年9月28日

-砂礫層を地上への影響ゼロで掘進-

 戸田建設(株)(社長:加藤久郎)は、横浜市神奈川区で神奈川処理区白幡第二幹線下水道整備工事(戸田・相鉄・イワキJV 横浜市下水道局発注)を施工しているが、白幡第二幹線は内径2,600㎜、延長1.5㎞の下水道幹線で、完成すると大雨時の既設幹線の負担を軽減し、白幡地区の浸水被害を解消する施設となる。

 工事は泥水式シールド工事で、掘削外径は3,490㎜、掘削部の土質は路線前半が砂礫層、後半が泥岩層である。泥水式シールドは切羽(地山掘削面)を泥水で保持・安定させながら掘り進む工法であり、透水性の高い砂礫層は逸水しやすく、施工が極めて難しい。さらに、シールドはJR営業線、国道1号、東電洞道など重要構造物の下を通過するため、地上及び既設構造物へ影響を与えないことが重要であった。特にJR営業線下部は砂礫層であり、沈下を防止する対策をとった。シールド機は礫を切削するシェルビットと破砕装置(クラッシャー)を備えた礫対応型のマシンとした。泥水は現地で配合実験と浸透実験を行い、高分子系増粘剤とワイオミング産ベントナイト(粒径の細かい特殊な粘土鉱物)を混合し、比重と粘性を厳密に管理した泥水を使用した。泥水管理に関しては、地山の急激な変化と不測の逸水に対応するため、坑内にリアルタイム切羽安定管理システム(*1)を備えた。また、泥水処理設備には、余剰泥水を効率的に濃縮する濃縮サイクロン(*2)を設置した。

 JR横断部は営業4線(東海道線、横須賀線、京浜東北線、横浜線)が並走する重要路線で、横断区間は40mにわたる。地上に沈下が発生すれば、列車の運行に支障をきたし、多大な被害が発生する。


JR横断部の縦断図

 そのためシールドの掘進管理には情報化施工技術を駆使した。横断部には自動追尾式トータルステーション(*3)を設置し、軌道の変位を常時監視できるようにした。更に横断部の手前に層別沈下計を設置し、シールド掘削と地盤変位の関係から掘進管理値(切羽水圧、裏込注入)を設定した。その結果、地上への影響をゼロにすることができ、軌道への影響は全く生じなかった。

 シールドは2004年8月末で1,000mを掘進し、現在東電洞道の下を通過中であり、同年11月には到達部に達する予定である。今後は、環境に優しい施工への取り組みとして、余剰泥水を活用した裏込充填(エコグラウト)の試験施工なども予定している。


泥水式シールド機

JR横断部

*1 リアルタイム切羽安定管理システム
 添加剤の攪拌装置、粘性計測装置、調泥剤の貯蔵タンクをユニット化したもので、坑内の後続台車に設置する。粘性の変化に対応して自動的に調泥剤を添加し、瞬時に泥水性状を安定させる。

*2 濃縮サイクロン
 サイクロン方式によって泥水を低濃度と高濃度に分離し、泥水を効率よく濃縮する装置。

*3 自動追尾式トータルステーション
 コンピュータを内蔵した自動測量装置。プリズムターゲット(反射板)を視準し、回転角と視準距離から対象点の3次元位置を自動的に取得する。

工事概要
工事名称神奈川処理区白幡第二幹線下水道整備工事
工事場所神奈川県横浜市神奈川区亀住町
発注者横浜市下水道局
施工者戸田・相鉄・イワキ建設共同企業体
工期2002年12月27日~2004年9月30日
シールド一次覆工
   施工延長    1,505m
   泥水式シールド φ3,490㎜
   鋼製セグメント φ3,350㎜
   仕上がり内径  φ2,600㎜
発進立坑築造工
   SMW土留壁  9.5m×5.5m×深さ17.0m
   発進防護工    薬液注入
基地整備工
   プラント設備
   防音ハウス

以上