ICタグを利用した「管理区域安全管理システム」
2004年12月1日
戸田建設(株)(社長:加藤久郎)は、西松建設(株)と共同で開発をした「ICタグ入出退管理システム」を利用した「管理区域安全管理システム」を開発し、清掃工場の解体工事に適用した。
同社と西松建設(株)とは業務提携をしており、「ICタグ入出退管理システム」もその一環の技術である。この技術を利用し、すでに西松建設(株)では仙台市の共同溝工事で坑内への出入りを把握するための「ICタグによる現場労務管理システム」を開発し適用しており、今回のシステムはそれに続く第二弾目のシステムである。
清掃工場の解体工事では、ダイオキシン濃度が高い区画を「管理区域(※1)」として設定し、通常の場所と区別して管理を行っており、その「管理区域」内での作業時間や作業環境を把握し、より高度な安全管理をするため、ICタグ(※2)を用いた管理区域安全管理システムを開発し、札幌市の厚別清掃工場解体工事の煙突解体工事管理区域内に適用した。この管理システムは、清掃工場に限らず高いセキュリティ管理を求められている現場に適用できるものである。
(※1)管理区域:
有害なダイオキシン類を扱う清掃工場の解体工事などでは、その工事を行う際に有害物濃度を計測し、その濃度の濃さに合わせて第1管理区域から第3管理区域まで設定し、外部と隔離をした状態で工事を行う。
(※2)ICタグ:
超小型のIC(集積回路)チップと、無線通信用アンテナを組み合わせた非接触型のカード
このシステムは、非接触型のICタグをヘルメット内部に仕込むことにより、入出退の際にカードを挿入するなどの特別な操作を作業員にさせることなく、管理区域内への入出退を管理できる。また、粉塵計と管理区域へのドアに設置した電気錠などと連携することにより、管理区域内の作業環境の管理と外部への粉塵飛散防止、部外者の侵入防止が行える特徴と機能を持っている。
主な機能としては
(1)作業員の入出退管理
管理区域出入口上部にICタグアンテナを敷設した通門ゲートを設置し、作業員はICタグ付ヘルメットを着用して通門ゲートを通過することにより、管理区域内への入場・退場時刻を自動で記録する。写真1に示すように、管理区域に入場する作業員は化学防護手袋を装着しているため、カードを取り出して、リーダーに読み込ませるような細かい作業を行うことができないが、ICタグであれば、手を使わずにゲートを通過するだけでICタグを認識するため、非常に便利である。ICタグの無線距離は約50cmに設定してあり、身長の高い人も、低い人もカバーすることができる。
(2)入出退に連動した施錠管理
通門ゲートへの通過と管理区域出入口施錠ドアの電気錠を連動させ、許可された作業員のみロックが解除され管理区域に入ることができる。また、許可を受けていない人が入場しようとしても、鍵が開かず危険な管理区域内部には入場できないようにしている。
(3)管理区域内の作業環境管理(粉塵量把握)
管理区域内に設置したデジタル粉塵計のデータはリアルタイムに管理パソコンに送信され、内部での作業の可否が外から判断できる。また、区域内での作業中に粉塵濃度が基準値を上回った場合は警告音・警告ライトにより作業員に知らせる。
本来であればダイオキシン量を管理したいところだが、ダイオキシン量の分析には1ヶ月を要するため、ダイオキシン類は通常粉塵に付着して存在し、その相関関係があるので、日常の管理としては、その代替として粉塵量を計測するのが通常である。
(4)作業員の作業管理(作業内容と保護具レベル)
ゲートから作業員の入出退時間、デジタル粉塵系から粉塵量(ダイオキシン量の代替量)が自動的にパソコン上に取り込まれるが、それ以外に職長はパソコンで作業員ごとの作業内容・保護具レベル、健康状態を記録でき、より厳密な作業管理が出来る。
出力帳票は「入出退管理日報」「粉塵量計測日報」「入出退管理月報」「粉塵量計測月報」がある。
ネットワークにより遠く離れた事務所においても監視や、データの集計をおこなうこともできる。
システム構成は
作業員側:
各自、名刺サイズICタグを内部に貼ったヘルメットを装着
ゲート側:
ICタグアンテナ1個(ゲート上部に使用)、入出退用光電センサー2対、アンテナ制御BOX1個、システムパソコン1台(制御、データ入力用)
事務所側:
クライアント用パソコン1台(監視、集計用)
前回と同様にシステム開発は(株)ヨコハマシステムズと共同で行い、ICタグアンテナは(株)ソフエル製を使用している。

図1.システム構成図

写真2.ゲートまわり(ICタグアンテナ、電気錠ドア、パトライト)

写真3.ゲート上部に設置したICタグアンテナ
