橋脚に近接したケーソンの施工
2004年12月9日
戸田建設(株)(社長:加藤久郎)は、多摩大橋下部工事(その2)(発注者:東京都)工事において、多摩川上流に位置する多摩大橋(東京都八王子市小宮町から昭島市宮沢町三丁目間)の新設橋をニューマチックケーソン工法(*1)で架設し、既設橋に影響を与えることなく施工を完了した。
多摩大橋下部工事(その2)において4基の新設橋脚は、既設橋脚に3.6mから6.5mの離隔と非常に近接しており、新設橋脚基礎の根入れも既設橋より10m程度深い位置に設けられることから、既設橋に対して十分な安全性を確認しながらの施工を要求された。
| 既設橋 | 新橋 |
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このため、戸田建設は現在使用中の既設橋への影響について、工事着手前に新設橋ケーソン沈設に伴う既設橋へ与える影響として考えられる変形、支持力、変形に伴う付加応力について有限要素法(*2)により解析し、鉄筋およびコンクリートの応力度を照査するとともに 既設橋の変位と傾斜に対する安全性の確認と計算により得られる変位量と傾斜量を事前に把握し、施工時の既設橋の計測方法を決定した。新設橋ケーソン沈設時における既設橋脚変位量はフリクションカット(50mm)や断面変化部(800mm)(*3)で生ずる空隙部を考慮した有限要素法解析で検討した結果、水平変位6.3mm(1次管理値20mm)、鉛直変位2.7mm(1次管理値15mm)と予測された。さらに1次管理値を超える変位が生じた場合の2次管理値については、東京都の管理基準値(30mm)よりも厳しい値である25mmとし、既設橋の変位について厳重な管理を行った。
河川内での工事は、渇水期(11月~5月)の制約された工期内で完成させなければならない。厳しい工程のなかでケーソン沈設を実施するにあたり、事前に行った種々の検討から既設橋基礎底面までの沈設時、断面変化部までの沈設時、最終沈設時の掘削状態を念頭に置き、新設橋ケーソンは傾斜計、函内圧力計を設置し、既設橋は固定式沈下計、傾斜計を用い、通信モデムによるリアルタイム自動計測を行いながら慎重な施工管理のもとで沈下掘削を行った。その結果、既設橋の変位量は水平変位1mm(1次管理値20mm、解析値6.3mm)、鉛直変位1.1mm(1次管理値15mm、解析値2.7mm)となり、影響なく施工を完了したと判断できる。
この工事は制約された工期と近接施工という厳しい施工条件の中、種々の技術検討および、それを反映させた施工管理、自動計測管理により工事着手より約5ヶ月で安全に、かつ既設構造物へ影響なく4基のケーソンの沈設を完了した。
![]() 写真-1 函内掘削作業 |
![]() 写真-2 ケーソン設備状況 |
![]() 写真-3 P5完成 |
![]() 写真-4 P2~P5完成全景 |
*1 ニューマチックケーソン工法ニューマチックケーソン工法は内部の空気が逃げないようにコップを逆さまにして水中に押し込んだ状態のように、水の浸入を空気の圧力によって防ぐ原理を応用したものである。ケーソンの下部に気密作業室を設け、そこに圧縮空気を送り込んで地下水の浸入を防ぎ、地上と同じ状態で掘削ができる工法である。
*2 有限要素法地盤やコンクリート、鋼構造体等の連続体を細かく分割し、その分割したそれぞれの有限要素について近似的に応力と変形との関係を求め、最終的に構造体全体の応力と変形を解析する計算手法。分割数が多いと精度が上がるため、コンピュータが利用される。
*3 フリクションカットや断面変化部ケーソンの作業室側壁と躯体との間に設けた5cm程度の段差。この段差によりケーソンを沈設する際の摩擦抵抗を軽減する。断面変化部とは基礎と橋脚柱部の躯体幅の異なった部分。
| 工事名称 | 多摩大橋下部工事(その2) |
| 工事場所 | 東京都八王子市小宮町~昭島市宮沢町三丁目地内 |
| 発注者 | 東京都 |
| 施工者 | 戸田建設株式会社 |
| 工事内容 | 橋梁下部4基 ニューマチックケーソン工法 沈下掘削 5,406m3 コンクリート 4,096m3 鉄筋 474t 型枠工 3,226m3 足場工 1,223掛m2 支保工 221空m3 仮設道路 1式 ケーソン設備 1式 |





