長距離、小断面シールド工事における安全管理
2005年3月9日
戸田建設(株)(社長:加藤久郎)は、千葉県松戸市で江戸川~古ヶ崎線(仮称)φ1200mm配水本管布設工事(その2)(戸田・熊谷・飛島JV 千葉県水道局発注)を施工している。施工は、現在施工中の(仮称)江戸川浄水場と既設の古ヶ崎浄水場を結ぶ全長4.9kmの配水本管(φ1200mm)の整備計画のうち、上矢切~古ヶ崎までの区間3,684.9mを泥水式シールド工法により掘進する。この工事の中で戸田建設は西松建設と共同で開発したICタグによるバッテリーロコ運行管理システムを適用し安全管理を徹底している。
工事は泥水式シールド(*1)工事で、掘削外径2,146mm、セグメント内径1,850mm、掘削距離3,684.9mの小断面・長距離シールドである。このような施工条件のもとでは狭小な坑内での安全管理が従来にも増して重要であり、今回、入坑管理システムと戸田建設・西松建設で共同開発しているICタグ(*2)を使用したバッテリーロコ運行管理システムの2つの新しい方法を採用した。

泥水式シールド機

レールに取り付けたICタグ
1)入坑管理システム
入坑管理システムは、入坑者全員にPHSを携帯させることにより坑内300mごとに設置したアンテナで所在を認識し、入坑者の退坑管理・所在管理を行う。入坑者の位置が立坑入口、中央監視室のモニターに表示されるため、坑内人員の位置とともに緊急時の退避状況が確認できる。また、PHS通信により坑内、坑外への通信ができるため的確な指示ができ、作業性と安全性が向上する。
2)バッテリーロコ運行管理システム
バッテリーロコ運行管理システムは、坑内歩行時、坑内作業時の安全確保を目的にトンネル内を走行するバッテリーロコの走行方向および、走行位置を監視する。今回の工事は小断面であり、バッテリーと歩行者通路を区分することができない。 従って、安全確保のためにバッテリーロコの位置を明示するシステムと歩行者にバッテリーロコの接近を所持者のPHSに知らせるシステムを工夫した。
システム構成としては、坑内100mごとに設置したICタグ(RFIDタグ)の位置情報をバッテリーロコに取り付けたアンテナにより読み取り、位置を検出しPHS通信網を通じて中央監視室に電送して、バッテリーロコの位置と方向を表示する。また、坑口、坑内、後続台車に表示装置を設置し、坑内でもバッテリーロコの走行方向および走行位置が確認できるとともに、各表示装置にバッテリーロコが接近してきた時はパトライトとブザーで知らせることにより危険を回避できるシステムとした。また、入坑者はPHSに接近メッセージが送られてくると近くの待避所でバッテリーロコの通過を待つことができる。

↑入坑管理システム

↑ バッテリーロコ運行管理システム

↑ モニター画面
現在、シールドの掘進は順調に進捗しており、平成17年1月末で600mを掘進し、同年12月には到達する予定である。このシステムの採用により労務災害のリスクが低減するとともに、バッテリーロコの位置を把握することによる作業サイクルの効率化も期待できる。今後は、山岳トンネル工事への適用も視野に入れ、システムの改善を進め、“より長くなる坑内を快適な作業空間に”を目指した方策に積極的に取り組んでいく予定である。
*1 泥水式シールド
泥水式シールドは切羽(地山掘削面)を泥水で保持・安定させながら掘り進む工法である。
*2 ICタグ
ICタグは、情報を記録しておく小さなICチップと無線通信用のアンテナを組み合わせた装置で、数cmから数10cm離れたアンテナからデータを読み出すことができる。一般に「無線ICタグ」、「無線タグ」、「RFID(Radio
Frequency ID)タグ」と呼ばれる。
工事概要
| 工事名称 | 江戸川~古ヶ崎線(仮称)φ1200mm配水本管布設工事(その2) | |
| 工事場所 | 千葉県松戸市上矢切648-1番地先~松戸市古ヶ崎951番地先 | |
| 発注者 | 千葉県水道局 | |
| 施工者 | 戸田・熊谷・飛島特定建設工事共同企業体 | |
| 工期 | 2003年12月10日~2007年3月18日 | |
| 工事概要 | シールド一次覆工 | 施工延長 3684.9m 泥水式シールド φ2146mm 鋼製セグメント φ2006mm |
| シールド二次覆工 | ダクタイル鋳鉄管 φ1200mm 発泡モルタル充填工 |
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| 地盤改良工 | 発進防護工 薬液注入、高圧噴射撹拌 到達防護工 薬液注入、高圧噴射撹拌 |
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| 開削工 | 発進基地 到達基地 |
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