完全なるゼロエミッションの達成
2005年4月27日
戸田建設(株)(社長:加藤久郎)は、広島県発注の山田川ダム本体工事においてゼロエミッションを達成した。
本工事では発注者である広島県の理解のもと、『完全なるゼロエミッションへの挑戦』をキャッチフレーズに、工事開始の2002年1月より、工事は勿論のこと、現場事務所、宿舎から発生する一般廃棄物及び仮設事務所の解体時に発生する廃棄物などの全てをリサイクルするゼロエミッションに取り組み、本年3月に達成した。
ゼロエミッションを達成するにあたっての重要な実施事項は- 事前に工事で使用する材料、現場及び現場事務所から発生する建設副産物や廃棄物を全て洗い出し、減量化、現場内再使用、現場外再使用、現場内再生利用の順で可能性検討を行い、最後に残ったものについて現場外再生利用を検討した。主要実施項目は下記の通り
減量化:鋼材にリース材を使用、鋼材の固定方法の工夫、畳を発砲スチロールで代替
現場内再使用:転石を管理事務所石積みに使用
現場外再使用:転石を公園法面に使用、コルゲート管を地元農家で再使用
現場内再生利用:汚泥を改良し盛土材に利用、伐採材を肥料として利用
現場外再生利用:コンクリート塊は再生砕石にリサイクル、一般廃棄物は固形燃料にリサイクル - 本工事では最盛期で約100人の作業員が従事し、工期も2年間に及ぶことから、実施にあたっては社員から作業員末端までがゼロエミッションの必要性を強く認識することが不可欠と考え、意識付け教育に重点を置いた。
- 地域社会への貢献と普及活動の一環として、現場が眺望できる一般見学場所を設け一般公開を図るとともに、地元小学生をはじめとして多くの見学者を受け入れた。
- 情報公開の一貫として、ホームページを開設し、実施状況を一般に公開した。
- 創意工夫に主眼を置き、余計な費用は発生させていない。
戸田建設(株)ではこれらの成果を全社的に展開し、今後建設廃棄物の3R推進に積極的に取り組んでいく。
ゼロエミッション達成に向けた取組み内容
1. 減量化(Reduce)
廃棄物の発生量を抑制する上で最も大切なことは、廃棄物を発生させないことである。このため、計画段階から工法の変更やリース材の使用などを検討し、廃棄物発生量の減量化を図った。例えば、仮設構台(トッスル構台)の鋼材にはリース材を使用した。さらに、鋼材の接合には一般的にボルト接合を用いるが、ボルト穴を開ければ解体後にスクラップが発生することから、万力状の固定器具ブルマンで鋼材を固定する方式とした。
仮設建物においては、解体後にリサイクルが困難な石膏ボードや断熱材は使用せず全て板張りとし、リサイクル困難な畳に替えて発泡スチロールを使った。
協力会社、資材納入業者との契約時には簡易梱包・包装、プレカット等減量化への協力を要請した。減量化の実績は表-1の通りである。
表―1 減量化の実績

2. 再使用(Reuse)
コンクリート養生マット、コルゲートヒューム管などの仮設資材は、できるだけ転用可能なものを選定し、使用後は協力会社や近隣農家での再利用を図った。また、堤体掘削で発生する大量の転石は、発注者の協力を得て公園法面や下流河川の整備に再利用した。再使用の実績は下表の通りである。
表-2 再使用の実績

3. 現場内再生利用(Recycle)
工事で発生する伐採材・伐根材は、破砕・チップ化し、肥料として近隣果樹園などに利用した。
堤体掘削や堤体コンクリート打設時などに発生するダムサイト汚濁水は、沈砂池や濁水処理設備で土砂やSS分を分離し、PHや濁度などを河川放流基準値以内に調整した後、山田川へ放流する。この段階で発生する汚泥についても固化剤を添加混合して改良し、造成用の盛土材に再利用した。
現場食堂などから発生する生ゴミは、全てコンポスト堆肥化処理の後、現場内に開拓した菜園に肥料として利用した。2004年10月には、この肥料を利用したサツマイモを地元文化祭に提供し、好評を得た。現場内再生利用の実績は下表の通りである。
表-3 現場内再生利用実績

4.現場外再生利用(Recycle)
現場から発生する廃棄物は表-4に示す中間処理施設を経て再資源化施設に搬出した。これらの施設については、事前に現地調査を行い、作業所から排出された廃棄物が100%リサイクルされる施設を選定している。一方、これらの施設でリサイクルするためには、作業所において確実に分別することが必要である。本工事では、現場内産業廃棄物と事務所一般廃棄物について各々の分別収集ヤードを設けて、産業廃棄物は16種類に、一般廃棄物は12種類に分別収集した。分別を確実に行うため、毎月末に社員・作業員全員で分別状況確認と仕分け作業を行った。現場外再生利用の実績は表-4の通りである。
表-4 現場外再生利用実績

◆山田川ダム本体工事概要
・発注者:広島県
・工事場所:広島県世羅郡甲山町大字別迫
・工 期:平成13年12月19日~平成17年3月30日
・施工者:戸田建設(株)・東洋建設(株)・山陽建設(株)JV
・山田川ダム概要:芦田川水系山田川に堤高32.1m、堤頂長204.8m、
堤体積43,600m3の重力式コンクリートダムを建設するものであり、
総貯水容量は700,000m3である。

山田川ダム 完成全景
![]() 地元小学生見学会 |
![]() 分別状況確認・仕分け作業 |

現場内菜園と収穫物


