煙突のダイオキシン類を効率よく除染
2005年6月22日
戸田建設(株)(社長:加藤久郎)は、焼却施設の煙突に付着したダイオキシン類による汚染物を効率的に除去(除染)する装置を開発した。(写真-1参照) 焼却施設の解体工事は、ダイオキシン類を伴う危険な作業となり、その中でも煙突はダイオキシン類濃度が高く、また高所作業が伴うため、安全に効率よく工事を進めるための技術開発が求められていた。
焼却施設の解体工事における従来の煙突の除染方法は、通常では高圧水で付着したダイオキシン類を除去する。煙突の場合、煙突頂部から吊したゴンドラでの人力作業から、煙突内を噴射ノズルが回転しながら昇降し除染する無人化施工が一般的になってきているが、この場合、煙突内径の変化により、煙突下部ではノズル先端と煙突内面の距離(噴射距離)が大きくなり、除染効率が悪くなるという問題点があった。
そこで新しく開発した装置は、噴射ノズルが煙突の内径の変化に追随できる構造とすることで、噴射距離を一定に保つことができ、また、装置の昇降速度や旋回速度が制御可能で、煙突の構造や汚染状況に応じて、均一に効率よく除染することが可能となった。さらにコンクリート内部にダイオキシン類が浸透している場合には、噴射圧力を上げ、レンガやコンクリート表面の汚染部分をはつり取ることができる。これによって健全な部分はリサイクル可能となる。
煙突自動除染装置の概要- 装置高 :3.78m
- 装置重量 :約1t
- 煙突適応内径:0.88~3.2m
- 噴射圧力 :20~60MPa
- 除染効率 :約120m2/h以上(コンクリート表面を約5~10mmはつる場合は約80m2/h)
構造は開閉可能な4本の上部アームと2本の下部アームからなり、上部アームを突っ張ることで装置を安定させ、下部アームが旋回して除染する構造である。また、噴射距離を一定に保つことができ、下部アーム先端の噴射ノズルに揺動機能を取り付け、噴射幅を広げることで除染効率を向上させている。
この装置は煙突頂部からウインチにより吊り下げる方式で、装置の設置撤去時以外はクレーンを必要としない。制御方法は、昇降速度・時間、旋回速度・時間およびアームの押し付け力などを制御プログラムにインプットし、自動で除染する。また、 装置に備え付けた2台のテレビカメラの映像を確認しながら、陸上から遠隔操作が可能である。
設置方法としては、自動除染装置を収納治具(写真-2、3参照)に納められた状態で煙突頂部に設置し、収納治具をガイドにして煙突頂部から下部に向けて除染していくため、煙突頂部の除染も可能で、また設置撤去の時間も短縮される。
実証実験は、茨城県つくば市の同社技術研究所に模擬煙突を製作して(写真-4~7参照)実施し、装置の除染性能と施工性を確認した。試算では従来の除染装置(ノズル回転式)と比べて、約20%の工期短縮、約10%のコスト縮減が可能である。
同社では100m級の大型煙突の解体工法「チムリス煙突解体システム」を開発している。今回開発した煙突自動除染装置は、レンガの解体機能を付加し、今後、除染・レンガ解体の汎用機として、焼却施設の解体現場に適用していく予定。

【全開時】
写真-1 除染装置

写真-2 装置搬入

写真-3 模擬煙突頂部への設置状況

写真-4 高圧水噴射状況

写真-5 レンガの除染結果

写真-6 コンクリートの除染結果

写真-7 コンクリートのはつり結果
