2005年9月27日

日本初のφ3500mmの推進

 横浜市環境創造局は西部処理区瀬谷飯田雨水幹線下水道工事において、日本初となるφ3500mmの推進工事を開始した。φ3500mmの採用にあたっては、RCの2分割推進管として現場に搬入し、組立てた後に推進する方法をとっている。従来のφ3000mm推進の枠を越えたものであり、今後の都市トンネル工事の試金石となる。シールドと推進相互の境界を拡大して使い分けを可能とする技術の流れの中で、推進断面を拡大して全体のコスト低減を目指したものである。

 西部処理区瀬谷飯田雨水幹線下水道工事は、境川沿い低地区の浸水解消を目的とした下水道整備工事の一環であり、既設雨水幹線と境川を結ぶ最下流部の約200mの工事である。施工は、戸田建設(株)(社長:加藤久郎)が行っており、泥土圧式推進工法により掘進する。推進管は日本ゼニスパイプ、日本ヒューム管の工場で製作し、現場に搬入する。2分割で搬入し、現地組立を行うため、継手の耐力や止水性などの課題に対して事前に性能試験を繰り返し実施して安全性を確保した。また組立場所は現地の環境や道路などの諸条件を踏まえて地上で組み立て、立坑に投入する方法を取っている。

2分割RC推進管の現地組立写真1
2分割RC推進管の現地組立写真2
2分割RC推進管の現地組立写真
現地掘進の坑内写真1
現地掘進の坑内写真2
現地掘進の坑内写真

1)2分割RC推進管
 2分割推進管は、内径3500mm、外形4040mmである。道路輸送上の高さ制限3800mmをクリアするために2分割とした。組立場所は発進基地の地上と立坑内部の2つの方法があるが、組立総時間が4時間かかるため、施工サイクル確保のために今回は地上組立とした。組立完了後に45度回転させて立坑に投入し推進する。発生曲げモーメントの小さい箇所に継手を設置し、また継手を千鳥配置にするため45度回転させることとした。推進管長2430mmであり、重量は組立後約20tである。

2)推進管の継手
 継手はコッター継手を採用し耐力を確保した。鋼製カラーの接合については、溶接とボルト接合で締結した。コンクリートに接している部分は熱の影響を防止するためボルト接合とした。継手の止水性は水膨張シール材を貼り付け、端部ゴム輪との取り合い箇所について止水剤の塗布を行った。性能確認として水密試験を実施して0.4MPaの耐水圧性を保有することを確認した。

3)現場の進行状況
  線路延長194.5mに対して、平成17年7月14日に発進し、初期掘進後段取り替えを経て、現在本掘進で75.33mの進行となっている。掘進は順調に進捗しており、10月上旬には到達予定である。技術的な課題は推進管の組立時間が4時間であり、施工サイクルを左右している点にある。この時間の短縮あるいは地上の組立用地の確保が今後の課題となる。

4)今後の展開
 よりコストの低い推進工法の適用範囲拡大は今後の下水道工事に大いに役立つものと考える。施工歩掛かりも日本下水道管渠推進技術協会で採取しており、まとまった段階で公表される予定である。φ3500mmの推進が今後φ4000mmあるいはそれ以上の大口径に対しても適用可能となるように本工事の施工に積極的に取り組んでいく。

 2分割RC推進管の図
2分割RC推進管の図
工事名称 西部処理区瀬谷飯田雨水幹線下水道整備工事(その10)
工事場所 神奈川県横浜市泉区上飯田町403番地先から438番地先まで
工期 平成17年1月4日~平成18年2月28日
発注者 横浜市環境創造局
施工者 戸田建設(株)
工事概要  内径φ3500mm泥土圧式推進工 L=194.5m
No.2ライナープレート立坑築造φ6.0m、H=7.8m 1ヶ所
特殊人孔築造工 発進部 1ヶ所
以上