2005年11月24日

~戸田建設・三菱重工「すいすいMOGLA(モグラ)工法」を開発~
門型シールド機の反復利用によりアンダーパスを構築する新技術

戸田建設(株)社長:加藤 久郎)と三菱重工業(株)(社長:佃 和夫)とは、非開削アンダーパス構築工法「すいすいMOGLA(モグラ)」(Multi Opera-Glass-type Shield)を開発した。両社は既にオーバーパス急速施工技術「すいすいMOP(モップ)」工法を開発済みであり、両工法ともに工事に伴う交通渋滞を緩和できる交差点部の急速立体交差化技術として、包括的に提案していく。

本工法は、延長200m以上、土被り10m以浅の地下トンネルを主な対象として、工事中の交通渋滞を大幅に軽減できる非開削構築法における工期短縮およびコスト縮減の実現を目的とする。新たに考案した門型シールド機により頂版部(上半)と底版部(下半)を層状に別々に構築した後に、側壁部を接続・閉合して完成させる外殻先行型矩形トンネル構築法である。

従来のアンダーパスなどの浅層地下トンネル非開削構築法ではパイプルーフ工法が一般的であったが、(1)鉄道操車場や広幅員道路が接する鉄道施設部のアンダーパス、(2)近接した複数道路や鉄道線との立体化が必要な場合のアンダーパス、(3)高速道路や鉄道線路の斜め横断ヶ所、(4)工事中も右折車線を確保しなければならない道路立体化などの場合には、延長200mを超えることとなり非開削構築法としてはシールド工法が有効となる。しかし全断面を一気に掘削する大断面シールドの場合はマシン製作に多額の費用がかかり、さらに低土被りの場合には地盤変状も大きくなるという問題があった。「すいすいMOGLA」は、シールド工法のもつ長距離対応性と急速施工性を維持しつつ、分割構築法によりマシン製作費の縮減と地盤変状抑制を実現する工法である。

本工法の大きな特徴は、戸田建設の保有技術であるMMB工法(Micro Multi Box shield)の要素技術をベースとして、それを応用・発展させたものである。MMB工法は大断面の地下構造物を構築する場合に、小型のボックスシールド機を組み合わせて外周部を分割して施工し、各トンネルを連結して先行構築する施工実績のある工法である。「すいすいMOGLA」は、新たに開発した門型シールド機を反復利用して上半部及び下半部を1台の機械で別々に構築し、その連結及び本体構造の構築法などはMMB工法の要素技術の活用を前提としている。

本工法の施工手順は i)門型シールドで下半部を構築する。下半部構築後、門型シールド機のうちの底版掘削部を頂版掘削用に付け替えて反復利用し、上半門型シールドを発進する。地盤条件によっては、頂版部シールド施工前に底版部隅角部から上載地盤の改良工を行う。ii)側壁部を隅角部より鋼板を圧入するなどして上下躯体を接続したのちに側壁部の配筋を行い、底版・頂板の鋼殻部とともにコンクリートを打設し、躯体を構築する。最後に内部土砂を掘削・除去しながら、4隅の鋼殻を撤去して完成させる。

また、本工法のメリットをまとめると次のとおり。

  1. 外殻先行構築法であるため、周辺地盤変状を最小限に抑えることができる。
  2. トータルコストの低減が図れる。(延長300mの2車線道路トンネルを構築する場合、大断面矩形シールドより約50%低減)
  3. 1往復のシールド掘進を前提としているため、工期短縮効果を維持することができる。(延長300mの2車線道路トンネルを構築する場合、地盤改良を前提とした大断面矩形シールドとほほ同じ工期、約20ヶ月ですむ)
  4. 上半と下半を段階的に構築できるため、各シールドの発進位置を変えることで立坑の大幅な簡略化が可能であり、さらなるコスト縮減および工期短縮が図れる。
戸田建設と三菱重工は、今後、アンダーパスや大断面道路トンネルにおけるランプ部構築をはじめとした都市部のさまざま地下工事に本工法を応用し、都市再生に貢献したい考えだ。
【イラスト】すいすいMOGLA工法による2車線道路トンネルの構築イメージ
図-1 すいすいMOGLA工法による2車線道路トンネルの構築イメージ
【図】トンネル断面の構築構造模式図
図-2 トンネル断面の構築構造模式図
※図中の数字は構築手順を示す
以上