2006年2月14日
戸田建設(株)(社長:加藤久郎)と(株)ケミカル工事(社長:堀越邦臣)では、既設コンクリート構造物の健全部を保持し、劣化部位のみ除去する方法として、高圧水の噴射により劣化部位をはつり取るウォータージェット工法を採用し、さらに作業時のはつりガラ・噴射水の確実な回収性能を付加した「ウォータージェット回収システム」を開発した。
老朽化した既設コンクリート構造物には、塩害・アルカリ骨材反応・中性化などの経年劣化や、その他の損傷によるひび割れ・剥離などの変状が生じたものが多数存在する。これらの構造物を補修補強する上で、最初に必要となる作業が劣化部位の除去である。劣化部位の除去には、従来、既設コンクリートに与える悪影響を考慮しないまま、ハンマーによる叩き落とし、ブレーカなどによるはつり処理が実施されてきた。しかしながら、これらの処理は、既設コンクリートの健全部にまでマイクロクラックを生じさせ構造物の性能を低下させるため、新たな劣化部位除去方法が求められている。
本システムは、はつりロボットに搭載された噴射ノズルを用いてコンクリートへ高圧水を噴射し、劣化部位をはつり取り、はつりガラ(スラリー含む)および噴射水の跳ね返りを回収カバーにより集積し、バキューム設備により吸引回収するものである(資料1参照)。このシステムによって、劣化部位の確実な除去と、従来の飛散養生および片付け作業などの準備作業を大幅に軽減できるとともに、作業の安全性の向上、作業により生じた廃棄物(汚濁水、はつりガラ)の確実な回収が可能となった。
資料1 システムの概要

本工法の特長は以下の通りである。
- 高い回収率の実現
回収カバーとバキューム装置の組合せにより、はつりガラ・噴射水の回収率が約90%(鉄筋表面まではつり取る場合)と大幅に向上した(資料2、3参照) - 準備作業の軽減
従来のはつり作業時における、飛散養生および片付け等の準備作業を大幅に軽減できる - 安全性の向上
回収カバーの設置によりはつりガラ(スラリー)および噴射水の跳ね返りを集積するため、作業時の安全性に優れ、工事騒音を減少させることができる - 適用箇所
床、斜部、壁、天井とあらゆる部位のはつり作業が可能である。また、使用機械重量が400㎏以下のため、足場上のはつり作業も可能となる
今後、地下鉄道(東京地下鉄など)、道路(高速道路各社など)系発注者へ提案していく予定である。
資料2 コンクリートはつり状況。

資料3 はつりガラ・噴射水回収状況

はつり完了

はつりガラ・噴射水回収完了
