2006年3月20日

戸田建設「T-アンダーパス工法(T-UPS)」 ~ボックス推進と地中土留壁とを組み合わせてアンダーパスを構築~


戸田建設(株)(社長:加藤 久郎)は、同社が保有する要素技術を融合・発展させた非開削アンダーパスの汎用的構築技術「T-アンダーパス工法(T-UPS)」(Toda - Under Pass System)を開発した。今後、交差点部の立体交差化を安全かつローコストで実現できる技術として、積極的に提案していく。

交通渋滞は都市部の道路交差部や鉄道踏切部で顕著であり、利便性の問題、物流・移動などの弊害だけでなく、大気汚染や緊急車両の通行の妨げなど周辺環境にも大きな負荷をかけており、これらの立体交差化は快適な市民生活と円滑な都市活動を保持するための大きな手段である。特に都市部での立体交差化では民地が近接し、騒音・振動、景観などの周辺環境に問題が生ずるケースが多いため、交通規制がなく周辺環境への影響を最小限に抑えることができる非開削アンダーパス方式が有効である。しかしながら全断面を一気に掘削する大断面シールドの場合はマシン製作に多額の費用がかかり、さらに低土被りの場合には地盤変状も大きくなるという問題があるため、従来の構築法としてはパイプルーフ工法が一般的な工法であった。パイプルーフ工法は、仮設部材である直線パイプルーフを矩形状に打設閉合したのちに支保部材で内空断面を保持しながら内部土砂を掘削し、場所打ち鉄筋コンクリートでトンネル構築する方式であるため、仮設費の低減などのさらなるコスト縮減と工期短縮が大きな課題として残されていた。

今回開発した本工法は、非開削アンダーパスにおける従来の課題を解決するため、ボックス推進と地中土留壁とを併用したトンネル構築法をシステムとして確立した。本工法の施工手順は、1.密閉型機械式ボックス推進機でトンネルの上部構造体のみを分割構築・結合、2.両端部のエレメントから仮設の地中土留壁を構築して門形構造を形成、3.内部土砂を掘削したのちにトンネル側壁及び底版部を場所打ち鉄筋コンクリートで構築して矩形トンネルを完成させる。

密閉型機械式ボックス推進工法による分割構築法を前提とした利点は、掘削マシン製作費の低減が図れること、低土被り下でも安全に施工できることである。長距離推進と高い止水性を実現するため、エレメント間を連結する継手は大きな施工クリアランスと止水機能を備えた構造を新たに考案した。

地中土留壁方式の利点は、ボックス推進をトンネルの上部構造構築のためだけに限定できるため、コスト縮減と工期短縮が図れることである。上部構造体構築のみにボックス推進機を使用するため、発進に係る設備の段取り替え作業を大幅に簡略化することができるのも大きなメリットである。トンネル断面両端部の推進機は土留壁構築作業空間分の内空が必要となるが、中間部は偏平な推進機により継手接続手間を低減する形式としている。地盤改良なしでも止水性を確保できるエレメント構造を新たに考案し、優れた施工性と経済性を実現している。

本工法について、計画延長80m、4車線道路への適用を想定した試算では、従来のパイプルーフ工法に比べ、コスト縮減効果は約15%、工期短縮効果は約30%であり、コスト縮減および工期短縮に目途をつけることができた。戸田建設は、今後、都市部のアンダーパス工事に同工法を積極的に提案し、工事に伴う都市機能へのダメージ緩和及びコスト縮減に貢献したい考えだ。

T-アンダーパス工法基本構造図
T-アンダーパス工法基本構造図

T-アンダーパス工法による2車線道路アンダーパス構築イメージ図
T-アンダーパス工法による2車線道路アンダーパス構築イメージ図



T-アンダーパス工法の施工手順

1.トンネル上部鋼製エレメント推進 トンネル上部鋼製エレメント推進

2.地中土留壁構築,エレメント結合・上床部構築 地中土留壁構築,エレメント結合・上床部構築

3.内部掘削、底版・側壁構 内部掘削、底版・側壁構

以上