釧路市内に鉄筋コンクリート造免震ホテルを実現
2006年3月24日
TO-HIS構法(Toda High-performance Isolation System)による長周期化で高い免震性能を確保
戸田建設(株)(社長:加藤久郎)は釧路市内に建つ地上13階建ての鉄筋コンクリート造ホテル「(仮称)釧路幣舞橋ホテル」(施主:太平洋建設工業(株))に免震構造を採用した。2005年7月28日に大臣認定を取得、2005年9月1日に着工し、2007年2月末の竣工に向けて現在施工中である。
建設地は釧路湿原・知床のある道東の中心都市釧路のシンボル幣舞橋のたもとに位置し、リゾート感覚を取り入れた新しいタイプのビジネスホテルを目指して計画された。外装は対岸にあるNHKカメラからの見え方を重視し、45二丁磁器質タイルを用いたリゾート感覚のデザインとして周辺環境との調和を目指している。
釧路市周辺ではここ数年の間に、1993年釧路沖地震(M7.8)、1994年北海道東方沖地震(M8.1)、2003年十勝沖地震(M8.0)が立て続けに発生し、北海道東部を中心に被害が生じた。これらの巨大地震が起きた後でも、文部科学大臣が本部長を努める地震調査研究推進本部では、根室沖にM8級の地震が起きる確率は今後30年以内に30~40%であると発表している。
この建物では戸田建設が開発した弾性すべり支承を付加したTO-HIS構法を採用することで、建物の長周期化(水平方向固有周期4.03秒)を実現している。免震装置は基礎部に設けられ、地震時の揺れ(加速度、変位)を小さく抑え込むことで、大地震時(レベル2地震)においても最大床応答加速度を135cm/s2以下と、一般耐震建物に比較して1/4程度の高水準の値としている。この結果、耐震安全性の確保に加え、大地震時においても什器などの転倒を防ぐことが可能となるなど、居住性・安全性を高めることに成功している。
建物中央部の柱下に配置している弾性すべり支承は、すべり係数0.105のPTFE材からなり、建物外周部の柱下に配置した天然ゴム系積層ゴムと減衰装置としてオイルダンパーを加えることで、最適な免震効果を得ることができている。
コストについても、TO-HIS構法の採用による地震入力の低減や、免震装置数の集約などにより、免震工事にかかる費用をこの工法を採用しない場合に比較して約15%低減することができている。
戸田建設では、TO-HIS構法による全用途の建物の免震化を展開中である。既に超高層住宅(ディーグラフォート横浜:RC造地上21階建、延べ床面積13,702m2)や大規模病院(東海大学医学部付属病院新病院:RC造地上14階地下1階、延べ床面積69,142m2)および鉄骨造事務所(オリックス伏見ビル:S造地上11階建、延べ床面積17,096m2)などに採用しており、今回はホテルの免震化を達成した。今後も、幅広い用途に対してTO-HIS構法を積極的に展開していく計画である。
建物概要
名称 (仮称)釧路幣舞橋ホテル
施主 太平洋建設工業株式会社
設計者 一般 戸田建設(株)
構造 戸田建設(株)
施工者 戸田建設(株)
建設場所 北海道釧路市北大通2丁目1他
建物用途 ホテル
敷地面積 2,074.89 m2
建築面積 693.02 m2
延床面積 7,372.60 m2
階数 地上13階、塔屋1階、地下なし
建物高さ GL+44.68 m
構造 鉄筋コンクリート造
基礎 場所打ちコンクリート杭
免震装置 天然ゴム系積層ゴム、弾性すべり支承、オイルダンパー
工期 2005年9月 ~ 2007年2月

