2006年5月17日

戸田建設株式会社
JFEテクノリサーチ株式会社
株式会社 ガステック

土壌汚染についての簡易分析法の開発を精力的に進めているJFEテクノリサーチ(株)(本社:東京都千代田区・社長:藤井徹也)、(株)ガステック(本社:神奈川県綾瀬市・社長:松野洌)と、汚染土壌対策に直接係わるゼネコンの戸田建設(株)(社長:加藤久郎)が共同で提案した重金属類汚染土の簡易分析技術の簡易比色法、フローインジェクション分析法、黒鉛炉原子吸光法が東京都環境確保条例における土壌汚染調査(重金属等)の簡易分析法に選定された。また、上記民間3社にアワーズテック(株)(本社:大阪府寝屋川市・社長:中嶋佳秀)を加えた卓上蛍光X線法も簡易分析法として選定された。(選定された分析方法の一覧を表-1に示す)

東京都は同条例に基づく土壌汚染の調査において、対策範囲の絞り込みや処理範囲の確認に簡易分析法の使用を認め、分析費用の低減や分析期間の短縮、対策土量の低減を図ることを目的として、2005年8月に簡易分析法の公募を行った。これら簡易分析技術は、現場で低コスト、リアルタイムに判定できる技術を目指し開発を進めていたことから、この公募に応募した。その後、都から提供された試料を用いた実証試験の実施、東京都環境科学研究所によるクロスチェック、ヒアリング、学識者による委員会の審議を経て、当共同研究の簡易分析技術が同条例に適用可能な技術であるとの評価を受けた。
なお、今回の公募には28技術の応募があり、13技術が選定された。その中で下表に示す4技術が本共同開発を進めている技術である。

東京都環境確保条例で使用可能と認められた技術及び分析項目
<東京都環境確保条例で使用可能と認められた技術及び分析項目>

簡易分析方法は含有量の分析と溶出量の分析に大別され、以下がそれぞれの概要である。

●含有量の分析(卓上型蛍光X線法、黒鉛炉原子吸光法、フローインジェクション分析法) 卓上型蛍光X線法とは、試料にX線を照射すると、試料を構成する元素から固有の波長を持つ蛍光X線が発生し、この波長や強さを測定することにより、重金属類の含有量を測定する方法である。この装置を用いれば、検液を作成する必要もなく、15分程度で含有量を測定することができる。今回の評価では、カドミウム、鉛の含有量測定について追加調査を実施した上で適用可能と認められた。 また、黒鉛炉原子吸光法(原子化過程で生ずる光の吸収から目的物質を定量する方法)は、公定法で行う1モル塩酸と試料を混合しての2時間振とう(4cm以上5cm以下の幅で毎分200回揺らすこと)に替えて、プロペラ攪拌機を用い、10分間の強制攪拌で検液を作成し時間の短縮を図った。この検液を測定し含有量の判定を行った。今回の評価では、セレン含有量と、追加調査によりカドミウム含有量も適用可能と認められた。 また、同様に作成した検液についてのフローインジェクション分析法(内径0.8mmφ程度のテフロンチュ-ブに反応試薬をあらかじめ流しておき、この流れの中に検液を投入し、チュ-ブ内で起きた反応生成物による光の吸収量を測定し、目的成分を定量する方法)では、鉛の含有量が追加調査で適用可能と認められる。 測定時間は検液の作成も含めて、両方法とも1時間以内である。

●溶出量の分析(簡易比色法、フローインジェクション分析法) 溶出量の分析では、公定法で定められた6時間振とう(4cm以上5cm以下の幅で毎分200回揺らすこと)に替え、プロペラ攪拌機を用いた30分間の強制撹拌により重金属を水中に迅速溶出させ検液を作成した。この検液を簡易比色法やフローインジェクション分析法を用いて測定する。測定時間は1時間程度である。簡易比色法とは検液に目的元素と反応する試薬を添加し、反応で生ずる錯体の色の濃さから目的成分を定量する方法である。今回の評価では、六価クロム、ほう素、ふっ素の溶出量について適用可能と認められた。また、フローインジェクション分析法においては、ほう素で選択され、ふっ素は追加調査で適用可能と認められる予定である。

今後は、対象分析項目の拡大、更なる精度向上、簡易化、時間短縮、コスト低減、検知管を用いて簡単に現場で分析できる方法を追求していく。特に自然的原因による汚染の可能性がある、砒素、鉛、ふっ素、ほう素の簡易分析法には力を注ぎ、土壌汚染対策法で対象外となっている自然的原因による汚染土についても、汚染の有無の判定を行い適正に処理していく。

卓上蛍光X線法(蛍光X線分析装置)/プロペラ攪拌機による強制攪拌/フローインジェクション分析法(ふっ素分析)
簡易比色法(ふっ素分析)/簡易比色計/黒鉛炉原子吸光装置
以上