2006年6月1日

『TO-スウィンパーロボ』を煙突解体現場に適用
Swinper Robo(スウィンパーロボ)= Swing Sweeper Robot


戸田建設(株)(社長:加藤久郎)は、焼却施設の煙突内面に付着したダイオキシン類を効率よく除染し、レンガを解体するロボット(写真-1参照)を実用化した。
当社は昨年、煙突を自動で効率よく除染する装置を開発しており、レンガ解体機能を付加して2カ所の現場に適用し、その有効性を実証した。

休止中の焼却施設は地方自治体の一般廃棄物焼却炉だけで約600カ所になり、これらを解体するには、「廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止対策要綱(基発第401号)」に準じて、解体作業を行う前にダイオキシン類を含む付着物を除去(除染)することが義務づけられている。解体する設備の中でも煙突はダイオキシン類濃度が高く、また高所作業を伴うため、安全に効率よく解体を進める必要がある。

解体されるような古い煙突は、通常コンクリートの躯体の内面にレンガを積んだ構造で、まず高圧水によりレンガ内面を除染し、レンガを解体した後、再びコンクリート内面を除染して、ダイオキシン類を完全に除去してからコンクリートの躯体を解体する。従来、煙突頂部から吊したゴンドラでの人力作業が主であったが、最近では煙突内を噴射ノズルが回転しながら昇降する機械洗浄(回転ノズル式)が一般的になってきた。しかし回転ノズル式は、煙突の下部に行くに従い、内径の拡大によりノズル先端と内壁との距離(噴射距離)が大きくなるため、除染効率が落ちるという問題点があった。

実用化したロボットは、噴射ノズルが煙突内径の変化に追随できる構造とすることで噴射距離を一定に保ち、煙突の構造や汚染状況に応じて均一に効率よく自動で除染する。制御方法は予め降下速度や降下時間、旋回速度と旋回時間を制御プログラムにインプットし、自動運転が可能。また、解体アタッチメントを装着し、ロボットに備え付けた2台のテレビカメラの映像を確認しながら、遠隔操作によりレンガを解体できる。ロボットは、開閉可能な4本の上部アームと2本の下部アームを持ち、煙突内で上部アームを突っ張ることでロボットの安定を保ち、噴射ノズルや解体アタッチメントを装着した下部アームが旋回して除染及びレンガ解体を行う。噴射ノズルは揺動機構を取り入れ、噴射幅を広げることで除染効率を向上させている。

ロボットは煙突頂部からウインチにより吊り下げる方式で、ロボットの設置撤去時以外はクレーンを必要としない。また、収納治具(写真-2参照)を考案して設置撤去の時間を短縮し、収納治具をガイドにして煙突最頂部の施工も可能にした。

適用した煙突は千葉県内の高さ21mの煙突と、福岡県内の45mの煙突で、今後は煙突の除染およびレンガ解体の汎用機として、焼却施設の解体現場に適用していく予定。

ロボットの概要
①ロボット高  :3.78m
②ロボット重量 :約1t
③煙突適応内径 :0.88~3.2m
④噴射圧力   :20~60MPa
⑤除染効率   :約210平方メートル/日(実績値)
⑥レンガ解体効率:約70平方メートル/日 (実績値)

写真-1 煙突自動除染レンガ解体ロボット
写真-1 煙突自動除染レンガ解体ロボット

写真-2 収納治具に納めた状態でロボット設置
写真-2 収納治具に納めた状態でロボット設置

写真-3 レンガ除染完了(煙突下部から上部を望む)
写真-3 レンガ除染完了(煙突下部から上部を望む)

写真-4 レンガ解体状況
写真-4 レンガ解体状況

写真-5 コンクリート除染完了(煙突上部から下部を望む)
写真-5 コンクリート除染完了(煙突上部から下部を望む)

以上