2006年8月22日

戸田建設(株)(社長:加藤久郎)は、8月1日の気象庁による緊急地震速報システムの本格導入に先立って、地震発生後に瞬時に推定された震度と到達時間を気象庁より受信し、実際に地震が到達する前に警報を発するシステムを東京都千代田区の東京駅前に建設中の超高層建物の作業所に導入し、運用を始めた。

このシステムは、気象庁の地震観測網で検知した初期微動(P波)から、警報装置設置場所での震度と到達時間を瞬時に予測し、その場所に主要動 (S波) が到達する数秒から数十秒前に警報を発することのできるシステムである。たとえば、今回導入した東京都千代田区では、発生する地震が関東地震と同様であれば15から20秒前、(想定されている)東海地震であれば50から60秒前に、警報を発することができる。したがって、建設現場では地震到達前にクレーン作業を停止したり、作業者を危険箇所から退避させて安全な場所に移動させることができ、事故を未然に防ぎ、安全を確保することが可能になる。

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緊急地震速報システムの概念

今回、作業所に導入したシステムは、気象庁(気象業務支援センター)から配信される地震情報(震源位置,規模,発生時間)を、戸田建設技術研究所(茨城県つくば市)にて受信し、一括管理のもと、社内LANを利用して時間遅れを生じさせることなく作業所に配信すべく開発されたものである。

同作業所での運営にあたっては、回転灯、スピーカー、サイレンを場内の各所に配置して、気象庁から発信された地震速報に基づいて算定した震度が一定震度(本作業所では震度4)以上になると予想される場合に警報を発信するよう設定した。スピーカーでは予想震度および予想到達時間が発信される。

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警報装置配置図(1階部分)

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1階部分の作業状況

また、場内の一般の作業者、高所作業者、地下作業者、危険物・火気を取り扱っている作業者、およびタワークレーン、エレベータ、それぞれの警報発生時の安全行動を定めたマニュアルを定め、社員および協力会社の安全を確保している。また、このマニュアルに基づいて、システムの日常点検を行うとともに、避難訓練も充実しつつある。本システムは、引き続いて免震レトロフィットの地下工事の作業所に適用し、工事自体の安全だけでなく、居たまま施工を行っている上部の建物の安全確保にも役立てる計画を進めるとともに、さらに拡張して数百にのぼる全国の作業所および本支店、工作所、営業所に対し、地震情報の集中管理、処理および一括配信を行うシステムも開発中である。

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左 現場事務所の受信システム /右 制御ボックス

戸田建設では、この緊急地震速報システムをさらに高度化し、営業ツールとしての展開も進めていく予定である。具体的にはこのシステムを、事業計画マネジメントのための建物耐震ソリューションシステムの一環として位置付け、より高度なリスク評価を行った上で,生産施設や病院,教育施設等の事業継続計画(BCP)立案にあたって、有効な手段の1つとして提案して行く予定である。

このシステムの導入により、戸田建設の設計、施工する建物は、付加価値として地震に対して

1、集合住宅や事務所ではエレベータを緊急停止させ閉じ込めを防ぐことができる
2、生産工場や発電施設などでは重要機器、生産ラインを停止させ安全を確保するとともに機器の損傷を低減できる
3、病院では手術や治療行為の安全性の確保や患者の早期避難が可能になる

など人命の保護、施設の機能維持につながる効果が期待できるようになる。

以上