固形回収システムで建設汚泥発生量の低減
2006年9月5日
戸田建設(株)(加藤久郎社長)は、現在中央区日本橋馬喰町で東日本橋共同溝工事(国土交通省発注)を施工している。東日本橋共同溝は、国道6号馬喰町共同溝と14号両国・江東橋共同溝を接続する全長760mの共同溝である。本工事は、そのうちの450m区間を泥水式シールド工法で施工するものであり、掘削外径は4,580mm、セグメント内径は4,050mm、セグメント幅は1,200mmである。
この工事は、入札時VE方式(総合評価方式)で、VE提案のテーマである建設汚泥発生量の低減について、「省面積立坑システム」(※1)の主要要素技術である「固形回収システム」を採用し、全体汚泥量4,440m3のうち991m3の低減量を提案して受注した工事である。
「省面積立坑システム」とは、(財)下水道新技術推進機構と戸田建設の共同研究(シールド発進立坑用地を縮小化する省面積システム)で開発されたシステムであり、研究会が組織されている。
従来、泥水式シールド工法で粘性土を掘削する場合、粘土分は泥水中に溶解するため建設汚泥として処分されていた。これに対し、「固形回収システム」はN値10以上の粘性土の地山を固形状で切削し、固形状態のまま流体輸送し、一次処理機で分離回収することにより、建設汚泥ではなく普通土として再利用することができるシステムである。固形回収状況は電磁波を用いた固形回収測定システムで監視する。排泥管に取り付けた測定器により、中央管理室において回収土の大きさ、大きさ別の割合、閉塞などを監視、制御できる。また、シールド発進部は、NOMST壁(※2)となっており、先行ビットをスライドさせて溝掘り切削幅を調整し、NOMST壁切削時と固形回収時に最適な地山切削ができるようにした。

NOMST壁切削に対応した
固形回収型シールド機固形回収状況(一次処理機)
シールド一次覆工は、2005年12月14日より、掘進を開始した。発進部より300m区間の固形回収対象土層(東京層粘性土)において、固形回収測定システムによる慎重な管理を行い、VEで提案した汚泥の低減量991m3に対し、1,378m3(全体量の約30%)の汚泥の低減が図れた。その後、隅田川の河底を横断し、無事故・無災害で2006年4月13日に所定の位置に到達した。また、本工事の発進基地は、交通量の多い国道6、14号および清杉通りに囲まれた浅草橋交差点内のため、非常に狭く、三角形状である。そこで、「固形回収システム」のほかに、省面積立坑システムの要素技術である「泥水濃縮システム」および「セグメントストックシステム」を採用し、立坑基地の省面積化を図った。

発進立坑基地
本工事では、建設汚泥発生量の低減を目的として、当社開発の省面積立坑システムの「固形回収システム」をVEで提案し、建設汚泥の発生を約30%低減できた。また、発生した建設汚泥を全量リサイクルする技術も確立しており、今後、環境負荷低減型のシールド工事として、同種工事に活用していく予定である。
- 泥水式シールド工法において発進立坑を縮小するために開発された技術で、「固形回収システム」、「泥水濃縮システム」、「セグメントストックシステム」、「リアルタイム切羽安定管理システム」を適用することにより発進立坑用地面積を最大1/3に縮小できる。
- 新素材コンクリートを用いて、シールド機のカッタービットで直接切削できるシールドの発進・到達立坑の土留壁を構築する工法である。従来必要であった、シールド発進・到達のための地盤改良防護工が削減でき、立坑坑口部土留め壁の人力による取り壊しも不要である。
