2006年9月15日
戸田建設(株)(社長:加藤久郎)は、青森県で進められている東北新幹線の八戸・新青森間延伸工事のうち、東北幹、高館トンネル工事(戸田・佐伯・森・畑中JV)(発注者 (独)鉄道建設・運輸施設整備機構 東北新幹線建設局)で、帯水砂層を有する土砂地山を対象とした国道直下のトンネル掘削において、各種補助工法を適用することにより、国道の沈下抑制と切羽の安定を実現し、無事、国道直下の掘削を完了した。
高館トンネルは、片側2車線の国道直下約10mを斜めに交差するため(写真-1)、掘削による影響範囲は75mにも及んでいる。そのため、国道の沈下抑制と天端部からトンネル上部にかけて位置する帯水砂層の地下水対策が重要な検討課題であった。地下水位低下対策としては、試験施工で地下水位低下量が不十分であっため、実施工では集水能力が高い大深度真空排水(スーパーウェルポイント)工法と止水を目的とした薬液注入工法(二重管ストレーナー工法)を併用し、トンネル天端+6mの当初地下水位から3~4mの水位を低下させた。

左写真(写真-1) / 国道交差部現況 右図(図-1) / 薬液注入工 施工断面図
薬液注入は1ブロックの延長を標準12mとし、改良高さはその都度、地下水位高さに併せて変更した(図-2)。注入は、試験施工により得たデータをもとに基準値を設けて、注入圧力・注入量・注入速度の管理を行い、注入効果(止水効果)を確認するために、施工後、現場透水試験およびチェックボーリングによって、その効果を確認した。

図-2 薬液注入工 施工縦断図
また、国道路面の沈下抑制対策は、切羽前方に長尺の先受け鋼管(φ114.3mm、t=6mm、L=12.5m)を打設し、鋼管の先端部に全ロストビットを装着させ、有孔部には逆止弁を取付けて流砂防止の対策をとった。

図-3 長尺先受工 施工縦断図
これらの対策工法のほかに国道路面の計測にノンプリズム方式による自動計測を採用し、路面変位を測定した。さらに、国道監視人を24時間体制で配置し、路面状況を監視した。
以上の各種補助工法を適用し、国道部の地表面沈下量を30mm未満、沈下傾斜角は3×10-3rad未満(管理値 路面変位の沈下量30mm、路面変位による傾斜角 6×10-3rad)で施工することができ、無事掘削を完了した。 現在、工事は安全・品質を確保しながら、竣工を目指して施工している。
工事概要
工事名称:東北幹、高館T他1工事
工事場所:青森県八戸市河原木字見立山地内
発注者:独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 鉄道建設本部 東北新幹線建設局
施工者:戸田建設・佐伯建設工業・森組・畑中建設工業特定建設工事共同企業体
工期:平成16年7月1日~平成19年2月14日
工事内容:トンネル延長 1,237m (仕上り断面68m2 NATM機械掘削)
2径間連続RC橋 240m (橋台2基 橋脚11基)
