「環境・社会活動報告書2006」を発行
2006年10月17日
戸田建設(株)(社長:加藤久郎)では、CSR経営(企業の社会的責任)の考え方と環境活動と社会活動等をまとめた「環境・社会活動報告書2006」を発行した。戸田建設では、1997年度より「環境報告書」を発行してきたが、昨年度より「環境・社会活動報告書」と名称を改め、社会活動に関しても掲載している。今年度は、さらに社会活動に関する掲載内容を充実するとともに、外部評価の高かった実績などを紹介するハイライトのページを新設するなど、全体構成を見直している。
「社会・環境と共生し、成長する企業であるために」と題した経営者メッセージにつづき、経営方針や企業行動憲章の理念に基づいたCSR経営の考え方を分かりやすく図解した上で、コーポレート・ガバナンス、中期経営計画、コンプライアンス等の企業経営の中核となる考え方や仕組みを解説している。
社会活動では、「顧客と社会ニーズに応えた品質の確保」として、当社が、ゼネコン業界で初めて取得したISO9001品質マネジメントシステムの最新の運用状況と品質管理ツールの「品質ポケットブック」等を紹介、さらに顧客満足度と社会的信用の向上を目的としたCS推進部の役割とその仕組みについて掲載している。また、「地域社会への貢献」として、市民現場見学会の開催や地元ボランティア活動など地域社会の発展と活性化に向けた活動実績を掲載しており、この報告書の表紙を飾っている"ひょうたん"にまつわるボランティア活動も紹介している。
環境活動では、2005年度の活動結果と2006年度の活動計画、環境会計の結果など全般的報告につづき、課題別報告として、建設副産物の削減対策、温室効果ガスの発生抑制、グリーン調達の推進等について、その活動実績と事例をグラフや写真などのビジュアル情報を使い、分かりやすく紹介している。また、環境サイトレポートでは、「自然資源を活かした設計」「環境配慮型シールド工事」の活動事例を設計担当者や作業所長の親しみあるコメントとともに掲載している。
なお、新設したハイライトのページでは、国土交通大臣賞を受賞した山田川ダムやBCS賞を受賞した横浜税関本関の実績等を紹介している。
戸田建設では、これまでのCSR活動実績を軸にして、さらにCSR経営をスパイラルアップさせていくとともに、より多くのステークホルダーとの信頼関係の向上を目指して、このようなコミュニケーションツールの充実を図っていくとしている。
環境・社会活動報告書2006の主な内容
■経営者メッセージ
-社会・環境と共生し、成長する企業であるために-
◇CSRの考え方:コンプライアンスを基盤に本業と関連する業務をベース
◇信頼の向上:透明性・誠実性を高めるためのコミュニケーションの重要性
■Management (企業の成長のために)
□戸田建設の経営理念(経営方針と企業行動憲章を掲載)
□戸田建設のCSR経営(CSRの考え方を分かりやすく図示)
□コーポレート・ガバナンス
◇2005年6月より、執行役員制度を採用
◇取締役会、監査役会、執行役員の役割を記載
□中期経営計画
◇「利益ある成長」を目指して、選択と集中による事業基盤の再構築
◇環境の変化に適応した収益構造への変革
◇主要施策・中期業績目標(2008年度)・業績結果(単体)を掲載
□コンプライアンス
◇コンプライアンス体制(仕組みを掲載)
◇行動規範の制定(行動規範記載項目を掲載)
◇企業倫理ヘルプラインの設置(ヘルプラインの仕組みを掲載)
◇企業倫理アンケートの実施(アンケート結果を一部掲載)
◇情報セキュリティへの対応(個人情報保護方針の策定と社内体制を掲載)
■Highlight(ハイライト)
□当社の各種実績の中から外部評価の高かった実績を今回はじめて掲載。
□3R活動で国土交通大臣賞を受賞(広島県山田川ダム)
◇完全なるゼロエミッションを達成(一般廃棄物を含めて全てリサイクル)
◇地域住民と一体となった環境活動を展開
□コンバーティブルな手術室を実現(東海大学医学部付属病院)
◇手術室の高い運動性を実現(ハード・ソフト両面から完成度の高い施設)
◇あらゆる手術に対応可能な手術室と手術進捗状況管理システムの開発
□第46回BCS賞を受賞(横浜税関本関)
◇横浜市の認定歴史的建造物の改修・増築工事
◇既存外部装飾の再利用改修計画の提案と改修技術開発への評価
□日本コンクリート工学協会賞を受賞(Wコンフォートタワーズ)
◇高性能RC高層建築の実現
◇RC54階建の超高層住宅への最新技術の採用
□第13回事故災害防止提案1等賞を受賞(板付き布枠の隙間開き防止金具の考案)
◇作業中の安全性と繰り返し利用による経済性で優れた提案
◇協会発行の提案集に掲載され、会員企業で広く活用
■for Society (社会のために)
□顧客と社会ニーズに応えた品質の確保
◇品質マネジメントシステムによる品質管理の徹底
・1995年に建設業界では、初めてISO9001認証取得
・2004年には、全社統合システムで認証を取得
◇品質マネジメントシステムの概要(システムの主たるフローを掲載)
◇品質管理ツール(施工プロセスで利用しているツールを紹介)
□顧客満足度と社会的信用の向上
◇顧客重視経営推進に向けて、CS推進部を2004年に新設
◇CS活動の推進
・営業、施工、設計部門から独立した組織
・顧客に対するアフターケアの窓口
・お客様の立場に立った竣工検査の実施、不具合再発防止
・顧客情報の共有化の推進窓口
・建物の顧客満足度やサービスに関する調査の実施
□働きやすい職場環境の実現
◇社員教育の基本方針(基本方針を掲載)
◇社員教育体制(教育体制を掲載)
◇セクシャルハラスメント問題への対応
□安全で快適な職場環境の実現
◇労働安全衛生マネジメントシステムの推進(安全衛生方針と重点目標を掲載)
・災害発生防止を目指して、2003年からTODA-OHSMSを運用
・危険作業事前検討会を実施して、リスクアセスメントを徹底
・総合建設業全体と当社の度数率グラフを掲載
◇人と人とのコミュニケーションの推進
・ヒューマンエラー抑止に向けて、一声かけ運動などを実施
・厚生労働大臣賞優良賞を3年連続受賞
□コミュニケーションの推進
◇広くステークホルダーに情報発信
・双方向コミュニケーションを推進
◇証券アナリスト現場説明会
・機関投資家や証券アナリストに最新のIR情報を提供
・2005年に東海大学医学部付属病院作業所にて現場説明会を開催
・パネルディスカッションにも参加
◇広報誌に「快適性と持続可能社会」を連載
・早稲田大学建築学科の田辺新一教授の解説
◇生徒たちが現場のクレーンのニックネームを命名
◇展示会への出展と雑誌への掲載
・環境関連の展示会出展の一部を掲載
・エコビルド2005出展ブースを紹介
◇環境・社会活動報告書の読者アンケートの結果
・読みやすさ、記載内容とも年々評価がアップ
・一番興味のあった内容は、「建設副産物の削減対策」
□地域社会への貢献
◇100万人の市民現場見学会の開催
・土木の日につくば技術研究所の小学生56名を招待
・その他に、63作業所で、約2400人が現場見学会に参加
◇名古屋打ち水大作戦と愛知万博ボランティアの参画
◇地域の産業文化祭で"ひょうたん"をプレゼント
・宮崎県浜ノ瀬幹線水路建設工事作業員全員がロードクリーン作戦に参加
・現場の空地に花壇を設け、四季折々の花で癒しの空間を創出
・ひょうたんを栽培し、色づけして、産業文化祭で子供たちにプレゼント
◇地元ボランティア活動に参加
・国土交通省主管のはな街道ボランティアに参加。銀座通りを花々で彩る
・メトロリンク日本橋の無料巡回バス運行に協賛
◇砂漠に苗木をプレゼント
・使用済み切手やテレフォンカードを独自のボランティアボックスで回収
・約50000枚を自然保護団体に寄付。苗木約171本に相当
■for the Environment (環境のために)
□環境理念と推進体制
◇戸田建設地球環境憲章
-地球環境の創造的再生を目指す-
◇環境方針
◇環境保全活動推進体制
◇環境マネジメントシステムの状況
・1999年にISO14001の認証を取得
・2005年に全社統合での認証を取得
◇外部審査機関による審査概要
・2005年11月に第7回サーベイランスを実施
・指摘事項等:重大な不適合なし。軽微な不適合5件。観察事項7件
◇活動経緯
□環境問題とのかかわり
◇資源の投入⇒環境負荷の排出
◇事業活動における環境影響への主な対策(建設活動のプロセス別の対策)
□重点活動項目の活動結果と計画
◇2005年度の活動結果と2006年度の目標を掲載
□環境会計の結果
◇環境保全コストの総額は、93.2億円。前年度より17.5億円増加。
◇資源循環コストの増加分が相当する。大型解体工事が増加した結果。
◇事業エリア内コストは、71.6億円で77%を占める。
◇研究開発コストは微増。研究開発コスト総額に占める割合は、約18%。
□建設副産物の削減対策
◇建設廃棄物の総排出量の削減
・総排出量は75.5万トン。前年比で、26.6万トン増加。
・解体工事増でコンクリート塊が増加。大型物件増で建設汚泥が増加。
・この5年間では、毎年増減を繰り返している。
◇リサイクル活動推進による最終処分率の低減
・最終処分率は14.8%。2001年度比では、1.5ポイント低減。
・2003年度までは低減化傾向。以降は戻りつつある。
・建設汚泥の最終処分率の増加が要因。建設汚泥を除くと、5.3%。
◇最終処分量削減に向けた取り組み(ゼロエミ推進)
・19作業所でゼロエミ推進を達成(完全ゼロエミ3作業所含む)
・東雲プロジェクト(超高層住宅)でゼロエミッション達成
□温室効果ガスの発生抑制
◇二酸化炭素排出量および原単位の削減
・原単位は25.6t-CO2/億円 (前年比約約6%減)
・総排出量は約121,637t-CO2 (前年比約3%増)
◇施工段階における二酸化炭素排出量の削減活動
・チェックシートの活用
・建設機械や車両の適正整備点検
・省燃費運転やアイドリングストップの励行
◇PAL/CECの目標設定による省エネルギー設計
・法基準値の94%を目標 (全ての項目でクリア)
◇ESCO事業化などの省エネ技術提案
・省エネ事業推進部では、省エネ診断やESCO事業化提案を推進。
◇オフィス内業務での省電力活動
・年間電力使用量は、2001年度比15%減(前年度比3%減)
□グリーン調達の推進
◇設計段階でのグリーン調達
・1物件平均の採用は、5.4項目(目標の4.5項目をクリア)
◇施工段階でのグリーン調達
◇事務用品等のグリーン調達
・ネット購買システムを導入(エコ商品調達率は55.4%)
◇設計施工物件等でのグリーン調達の事例
・東京農業大学桜丘アリーナとタカキタ札幌支社製品倉庫での事例紹介
□有害・化学物質のリスク管理
◇アスベスト含有スレート屋根等の解体工事
・散水ロボットや散水スプリンクラーを利用して粉塵の発生を抑制
◇TO-スウィンパーロボの開発と採用
・ダイオキシン類に汚染された煙突の自動除染・解体ロボット
・従来と比較して、工期短縮、除染処理水量低減、解体コスト20%削減
◇重金属を含むトンネル掘削岩の処理
・鉛、セレン、砒素などの重金属を含む岩盤を掘削するトンネル工事
・重金属を含む掘削岩は二重の遮水シートで包み込んで盛土して封じ込め
◇PCB廃棄物の保管管理の徹底
□環境サイトレポート
◇協和発酵富士工場総合事務所棟(自然資源を活かした設計)
・自然の景観を再編、自然環境に調和する建物、自然環境にやさしい施工
◇東日本橋共同溝建設工事(環境配慮型シールド工事)
・固形回収システムの提案採用、地域コミュニケーションの推進
□環境関連技術開発
◇TO-PSP工法の開発と適用
◇水系飛散抑制剤の開発(アスベスト飛散対策)
・アスベスト飛散抑制剤吹付け工法での水系無機ナノシリカ溶液の開発
・アスベスト除去工事の作業性向上と除去時や廃棄作業時の安全性向上
◇近隣配慮型解体工法「NEOカッター工法」の開発
・既存建物躯体解体工法での低公害(低騒音・低振動)型機械の開発
◇山岳トンネルの割岩技術「EG-Slitter」の開発
・低公害(低騒音・低振動・落下防止)型機械掘削工法の開発
・トンエル切羽に連続孔をあけて、油圧くさびで静的に破壊する工法
□環境教育・啓発
◇環境教育・研修の実施
◇環境セミナーと技術発表会の開催
・外部講師に京都大学大学院地球環境学堂の嘉門雅史教授
・講演テーマ「環境地盤工学と廃棄物問題」で講演
◇環境情報の水平展開
◇戸田地球環境賞表彰
・2002年に創設。今回が4回目の表彰
◇外部表彰

