2007年2月1日
西松建設株式会社
戸田建設株式会社(社長:加藤久郎)と西松建設株式会社(社長:國澤幹雄)は、業務提携発表以来、数多くの技術開発を共同で推進してきましたが、このたび、「制震天井システム」を開発いたしました。
近年、空港やスポーツ施設において、地震時に天井が落下する被害が数多く発生しています。地震時に建物自体に被害は生じなくても、天井が落下することにより、人命が危険にさらされたり、施設自体が使用不能になるなど多くの問題が発生する可能性があります。天井の落下原因については、多くの研究が実施され、壁への衝突や過大な変形など、いくつかの要因が挙げられております。
今回開発した「制震天井システム」は、地震時において天井落下による機器・製品および建物・設備などの被害を防止し、継続使用が重要な生産、医療施設などのBCM(事業継続管理)対策の一環として開発したものです。 本システムは、制振ダンパー(粘弾性体ダンパー)を使用した制震天井で、地震時の過大な変形を抑制して壁への衝突を回避し、天井の損傷や落下を防止する目的で開発しました。 その他の特徴として、天井内にブレース材を設置する必要がないため、設備機器や配管などのレイアウトの自由度が向上します。さらに、制振ダンパーを取り付ける際、現地でより簡易に取り付けることが可能な施工法となっています。
この「制震天井システム」について、性能検証実験を、西松建設愛川衝撃振動研究所の大型3次元振動台を用いて実施しました。 実験は、在来工法と本システムによる天井の耐震性能を比較・検討するため、天井の一部(4.5m×4.5m)を想定した試験体を用いて実施しました。 在来工法の天井においては、天井が損傷・落下したのに対し、本システムの天井では大地震時にも損傷を受けず、かつ揺れも小さいことが確認できました。本実験により、制振ダンパーの性能や施工方法、シミュレーション解析手法の妥当性をも検証することができました。 これらの検証実験や数多くのシミュレーション解析を通して、本システムは、地震時の天井落下を確実に防止することができ、人命の保護をはじめ、重要機器や製品の保護、施設の継続使用を可能にするなど、BCMを実施するうえで、有効な技術の1つであることが分かりました。
コストは従来工法の天井に比べて、IT関連工場において必要な部分(全体の10%程度)に、この制震天井装置を採用した場合、全体工事金に対し多少のアップですみます。継続使用が強く要求される施設や、人命保護・資産保全などを主な目的とした一般建築物にも十分適用可能なシステムです。
本技術開発は、戸田建設と西松建設の両社が保有するノウハウおよび保有施設の相互活用が実を結んだ数多くの結果の1つです。今後、さらに「制震天井システム」を両社の受注活動に活用していく予定です。

「制震天井システム」全体

制震ダンパー
