障害物直下にソイルセメント壁を合理的に構築する技術を開発!
~戸田建設・ジェコス・三和機材「SWINGウォール工法」~
多軸混練オーガー機の先端部を拡幅掘削アタッチメントに付け替えるだけで実現
2007年3月12日
戸田建設株式会社
ジェコス株式会社
三和機材株式会社
戸田建設(株)(社長:加藤久郎)とジェコス(株)(社長:寺尾主)と三和機材(株)(社長:栗田五郎)とは、障害物直下にソイルセメント壁を合理的に構築する技術「SWING ウォール工法」を共同開発し、施工性確認試験を実施しました。多軸混練オーガー機の先端を特殊アタッチメントに付け替えて拡幅掘削する技術であり、今回の実証試験で良 好な成果が得られたことから、埋設構造物直下に土留壁を構築する場合や液状化対策として構造物直下地盤を強化する場合など、幅広い用途への適用を視野に入れて、実用化 に向けた取り組みを積極的に展開していきます。
都市部で地下空間を構築する工事では、止水や土留めを目的とした土留壁を構築する際に、土留壁構築ラインに埋設構造物が横断している場合が少なくありません。このよ うな状況においては、埋設構造物を移設するか、移設できない場合には埋設構造物周辺及び下部の欠損部を地盤改良により対応することが主な対応策であり、埋設物の移設は 移設場所の問題や工費・工期が増加するケースが多く、また地盤改良による対応では改良体造成の不確かさなどの安全性確保の面が課題となっていました。これらを改善する ために、特殊専用掘削機により埋設構造物直下の拡幅掘削をおこない土留壁を構築する工法が考案されていますが、特殊専用掘削機のコストが高いことや通常の土留壁構築工 法からの段取り替え、また拡幅掘削用の反力を得るための補強工事が必要となるなど、工費・工期が増大する傾向にあり、より合理的な方法の開発が望まれていました。
「SWING ウォール工法」は、上記の課題を解決するために、通常部分を施工してきた多軸混練オーガー機をそのまま使用し、障害物直下部分は多軸オーガー先端を拡幅掘 削アタッチメントに付け替えるだけで、所要強度と止水性を有するソイルセメント壁を簡便に構築する工法です。この拡幅掘削アタッチメントは、多軸のうち1軸を屈曲可能 なオーガー構造として障害物直下をスイングさせて拡幅掘削します。障害物直下を拡幅掘削する際に生じる反力は残りのオーガー軸の根入れ効果によって安定的に確保し、掘 削反力を得るための特別な補強工事を必要としません。上記の作業を深度方向に繰り返し行うことで、障害物直下に任意深さのソイルセメント壁を構築できるのが大きな特長 です。大規模な段取り替えが不要なため、埋設構造物直下の土留壁構築に限らず、液状化対策技術として構造物直下地盤を強化する場合にも有効性を発揮できる汎用性を備え ています。
今回実施した施工性確認試験は、障害物直下に幅2m のソイルセメント壁を構築する場合を想定した拡幅掘削アタッチメントを試作し、多軸オーガーに平行及び直角の両方 向についての掘削性能を確認するために実施しました。その結果、①地上部に特別な反力機構なしに良好に拡幅掘削できること、②拡幅掘削部におけるソイルセメント壁の所 要強度が均質に得られることを検証できました。また、数本の土留め芯材を折りたたんだ状態で建て込み、拡幅掘削したソイルセメント壁内に、独自のリンク機構を用いて広 げて配置する方式の芯材建て込み技術も併せて考案し、その有効性を建て込み試験により確認することができました。
今後、施工性確認試験で得られたデータに基づき「SWING ウォール工法」の技術確立を目指すとともに、幅広い用途に対して省力化やコスト縮減が図れる工法として、実 現場への提案を積極的に展開し、土木工事の合理化を支援していきます。

「SWINGウォール工法」施工性確認試験で試作した拡幅掘削アタッチメント
■ 拡幅掘削アタッチメント概要及び施工手順

【拡幅掘削アタッチメント】 【アタッチメントを装着した多軸混練オーガー機】
①掘削機建て込み ②スイング掘削 ③拡幅掘削

【埋設構造物下の掘削手順】
■ 施工性確認試験概要(平成18 年12 月~平成19 年1 月実施)
① 地盤概要
N 値6~16 の粘土混じり細砂と火山灰質粘
性土の互層地盤
② 実施した試験内容
・拡幅掘削性能確認試験
(オーガー並行と直角の2方向について実施)
・拡幅掘削部ソイルセメント壁構築試験
・土留め芯材建て込み試験
・出来形確認試験
(掘削性能確認試験の1ヶ月後に掘り出して、出
来形の確認及び改良体の強度試験を実施)

【施工性確認試験模式図】

拡幅掘削アタッチメント建て込み状況

拡幅掘削試験状況

ソイルセメント壁の出来形確認

土留め芯材の建て込み状況確認
■ 「SWING ウォール工法」の主な特長
- SWINGウォール工法は障害物直下の地盤にソイルセメント壁を合理的に構築する技術であり、土留め壁や地盤強化など、幅広い用途に応用できる汎用工法です。
- 多軸混練オーガー機の先端を拡幅掘削アタッチメントに付け替えるだけで障害物の下部地盤を拡幅掘削できるため、特別な専用掘削機を使用する場合に比べてコスト縮減を図ることができます。
- 拡幅掘削アタッチメントは、ボルト接合により容易に脱着することができる機構であり、作業効率に優れています。
- 多軸混練オーガー機をはじめとして、通常部分の壁構築用資機材をそのまま引き続き使用できるため、特別な段取り替えをする必要がなく、施工の合理化が図れます。
- 拡幅掘削アタッチメントは、多軸のうち1軸を屈曲可能なオーガー構造として障害物直下をスイングさせて拡幅掘削します。障害物直下を拡幅掘削する際に生じる反力は 残りのオーガー軸の根入れ効果によって安定的に確保し、掘削反力を得るための特別な補強工事を必要としません。
- スイング掘削を深度方向に繰り返しおこなうことで、障害物下部に任意深さのソイルセメント壁を構築することができます。
- 多軸オーガーに対して平行及び直角の両方向への拡幅掘削が可能であり、適用用途に応じて柔軟に対応できます。
- 数本の土留め芯材を折りたたんだ状態で建て込み、障害物直下に拡幅掘削したソイルセメント壁内に、独自のリンク機構を用いて広げて配置する方式の芯材建て込み技術 により、安全性の高い土留壁を構築できます。
