2007年3月19日

戸田建設(株)(社長:加藤久郎)は、耐震補強工事である自由ヶ丘雨水調整池整備工事(戸田・白石・太平JV)(発注者 名古屋市上下水道局)の中で、既設RC構造物内部で空頭制限がH=6.7m、既設柱間W=5.2mという厳しい施工条件下においてケーシング立坑築造機械を改良した新工法でφ700mmの鋼管杭を打設しました。

この工事では低空頭での杭打設(鋼管杭中堀り拡大根固め工法)に加えて降雨時の機械退避が施工条件でした。通常の低空頭杭打設では杭を支持する半固定式の架台を設置する必要性があり、調整池の水位が上昇したときの退避に問題がありました。今回の工法では、①鋼管回転圧入機②オーガ掘削機③小型クレーン④小型バックホウの4台の移動式重機を使用しました。鋼管杭の圧入には推進工事の仮設立坑築造時に使用する鋼管回転圧入機を改良して使用し、杭内部の掘削には0.7m3バックホウをベースマシンとしてオーガスクリューを装着し、2台を併用して鋼管杭内部の土砂を掘削しながら鋼管杭を回転圧入する方法を採用しました。鋼管杭は低空頭高さに応じて2.5~3.0m程度の長さに加工し、順次溶接接続しながら打設しました。これにより鋼管杭を所定の長さ、所定の深度まで打設することができました。(図-1)

また、杭先端の拡大根固めは、オーガスクリュー先端にオーガスクリューを逆回転させることにより機械的に鋼管外径より100mm程度拡幅する拡大ビット(図-2)の装着により、確実な拡大根固めが可能となりました。

鋼管杭打設フロー図
鋼管杭打設フロー図

この工法を採用することによる利点は下記の通りです。

  1. 使用重機がすべて自走式の為、機動性が高い。
  2. 中掘り根固め拡大工法であり、根固築造工程における信頼性が高く確実な杭先端支持力が得られる。
  3. 掘削土砂はオーガスクリュー引き抜き時に杭内部へ残置することができ、残土処分量が低減され汚泥処分費が50%程度削減できる。
  4. 杭施工基面は敷鉄板程度の養生で施工可能であり、杭打ち開始工程が早くなり工程短縮につながる。
  5. 機械損料が安価でコストダウンが可能である。
鋼管杭打状況

鋼管杭打状況

拡大ビット詳細図

       拡大ビット詳細図

鋼管杭の支持力確認は、地盤工学会で基準化された『衝撃載荷試験』を実施し、所定の許容支持力を満足することを確認しました。

今回は、鋼管φ700mm、全長17.5m、最大N値40、空頭制限H=6.7mでの実績でしたが、施工機械の小型化を図れば空頭制限H=4.5m程度までは施工可能であると考えています。

高速道路や鉄道の高架下及び架空線下などでの基礎工事、又は建物の増改築、耐震補強など既設構造物内部での基礎工事が今後増えてくると見込まれます。戸田建設ではそのような発注者のニーズに的確に対応できるような技術提案、営業展開を図っていきます。

工事概要

工事名称    自由ヶ丘雨水調整池整備工事
工事場所    愛知県名古屋市千種区春里町2丁目
発注者      名古屋市(上下水道局)
施工者      戸田・白石・太平 特別共同企業体
工期       2005年10月26日~2008年3月17日
工事内容    耐震補強工事
           鋼管杭打設(φ700mm L=16.5~17.5m)244本
           躯体コンクリート補強      3,181m3
           炭素繊維シート補強        234m2
           軽量盛土置替工         1,715m3

以上