2007年6月14日
戸田建設株式会社
西松建設株式会社
戸田建設(株)(社長:加藤久郎)と西松建設(株)(社長:國澤幹雄)は、1999年10月の業務提携発表以来、共同で技術開発を推進しております。
今回、細高い建物*1の制震に有効な「ロッキング制震構造システム*2」の設計法を構築し、(財)ベターリビングの建築技術性能証明(評定書)を取得しました。
*1建物の高さが幅に比べて高い。塔状比(高さ/幅)が大きい。
*2特許申請中。
ロッキング制震構造システムでは、上部構造の1階柱脚底部を基礎部のベースプレート上に緊結せずに設置して、その間で離間が可能な構造とし、柱脚とベースプレートは上下に作用するダンパー支承によって繋がれています。地震時には、ある大きさ以上の水平力が働くと引張側の柱脚部が離間して建物が力方向に揺すれ、これが左右繰り返して応答するロッキングが生じます。
この挙動によって建物の重心が上方に移動して、地震入力エネルギーの一部が位置エネルギーに変換され、地震力が低減されます。この地震力の低減により、上部構造の損傷が軽減されるとともに、基礎構造の応力も低減されます。従って、細高い建物でも基礎構造に引抜力は起きず、逆側に戻ろうとする際には、建物自重が建物復元力として働きます。
従来の建物は、上部構造と基礎構造が接合されており、大地震時には、1階柱や基礎構造が過大な応力を負担することになります。特に細高い建物では、引張側の基礎構造に引抜力が生じ、反対側では大きな圧縮軸力が生じます。このため、これらの構造は建設コストの増大や維持管理を必要としていましたが、この技術により、これらの欠点を解消することが可能になりました。
ロッキング制震構造システムについては、フレーム試験体の振動台実験、詳細ロッキング機構試験体やダンパー支承試験体の静的・動的実験によって性能を実証済みです。
このたびは、ロッキング制震構造システムの耐震・耐風設計法およびロッキング機構の設計法を構築し、板状の高層建築物の試設計を行って損傷を抑えるなどの所定の性能が得られることを確認しました。両社は、効果的な建築物を中心に、このロッキング制震構造システムを適用できる受注活動を行っていく予定です。

ロッキング制震構造システム概要

ロッキング制震構造システムによる効果の例
ロッキング制震構造は、建物の重心が上方に移動するロッキングによって地震入力エネルギーの一部を位置エネルギーに変換し、建物に作用する地震力を低減させ、建物と基礎構造の損傷を軽減する構造です。


ロッキング制震構造システムの原理
ロッキング制震構造システムの振動台実験

ロッキング機構の確認実験

ダンパーの性能実験

