2007年12月10日

戸田建設株式会社
大旺建設株式会社
西松建設株式会社
財団法人建材試験センター

戸田建設(株)、大旺建設(株)、西松建設(株)、(財)建材試験センターは、このたび独 立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下NEDOという)「アスベスト含有 建材等安全回収・処理等技術開発」委託事業において「低温過熱蒸気によるアスベスト無 害化・資源化装置の開発」をともに実施することが決定いたしました。平成20年度内にも、 大量に排出されるアスベスト含有建材を対象とした、安価で無害化、資源化できる革新的 な装置を完成させる計画です。この委託事業の成果をさらに進め、平成21年度以降には千 代田建工(株)、大旺建設(株)を中心にアスベスト含有建材の無害化処理事業を展開する 予定です。

1.アスベスト含有建材について
アスベスト含有建材とは、非飛散性アスベストのひとつです。飛散性である吹付石綿と比 べ、市場での残存量が圧倒的に多く、また飛散性に比べ安全に見えることから乱暴に扱わ れやすく、その結果として二次災害の可能性も懸念されており、適切な対応が求められて います。

現在,アスベスト含有建材は4000万t以上におよぶ蓄積量があると推定されています。 これらは廃棄物として、年間100万t以上排出されることが予想されています。これらを 埋立て処理するには、最終処分場の残容量が大幅に不足することから、無害化して減容化 または、再資源化する必要があります。また、埋め立ての方法では根本的な問題の解決に はならずリスクを将来に残すだけとなります。そのような状況の中で、現在、環境省では 無害化処理認定制度が施行され、溶融処理等の促進が進められています。しかし、溶融処 理は処理コストが埋め立て処理に比べて、非常に高いことから、なかなか普及していませ ん。そこで、無害化処理を普及させるためには、低コスト型の無害化処理技術の開発が望 まれています。

2.過熱蒸気によるアスベスト無害化処理について
昨年までに高知大学理学部水熱化学実験所との共同研究により、過熱蒸気を用いることで 効率的にアスベストが無害化することを確認しました。この技術をもとに、NEDOの委託 事業において大量、安価で無害化、資源化できる装置を開発します。(図1参照)

図1.過熱蒸気による無害化ラインのイメージ図

図1.過熱蒸気による無害化ラインのイメージ図

アスベストは溶融処理温度(約1500℃)よりも低温で脱結晶水化を起こし分解しますが, 現在のJIS 規格で定められているアスベストの有無を決定する方法では、1100℃で3時間 加熱しないと「無害化」を判定できないことが報告されていました。しかし,過熱蒸気を 用いることで,熱伝達効率が良くなり,900℃,1時間以内の低温、短時間の条件で無害化 が可能であることを確認しました。(図2、写真1、2参照)

図2.過熱蒸気による加熱パワーの特徴説明図

図2.過熱蒸気による加熱パワーの特徴説明図

写真1.基礎実験状況(スレート板を重ね厚さ10cmで確認)

写真1.基礎実験状況(スレート板を重ね厚さ10cmで確認)

写真2.位相差分散顕微鏡(分散色)によるアスベストの確認

写真2.位相差分散顕微鏡(分散色)によるアスベストの確認

この無害化の方法は、これまでの燃焼、溶融による方法ではなく、新たな無害化処理技術 として、現在特許申請中です。

3.技術の特徴
3-1 従来法との違い

  • 回収されたアスベスト含有建材は破砕しないまま、もとの大きな形で処理ができます。
    そのため、破砕によるアスベストの飛散を防ぐことができ、安全です。
  • 過熱蒸気を用いることで、従来のような大量の排ガスは発生しません。
  • 常圧下もしくは微負圧下で処理ができ、従来の1500℃の高温での溶融法に比べ温度も低い為、低コストで処理ができます。
  • アスベスト含有建材を対象としており、その他の廃棄物と混合することなく処理するこ とから処理物の再資源化(セメント化等)が可能です。本委託事業においては資源化技術の開発も行います。(図3参照)
図3.アスベスト製品リサイクルのイメージ図

図3.アスベスト製品リサイクルのイメージ図

3-2 処理費用について

  • 安価な処理費用(5~8万円/t)で無害化をすることを目指します。

3-3 処理能力について

  • 本委託事業においてアスベスト5t/日以上(「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に よる、無害化処理認定許可基準)の処理能力装置を開発します。

4.アスベスト無害化の処理事業
開発後の事業化においては、千代田建工(株)が首都圏において平成21年度にまず1万t/年(30t/日)の処理能力を有する無害化処理 工場をつくり、平成25年度までには10万t/年の処理能力を目指しています。その後の事業化の全国展開は、広く一般から事業 実施者を募る予定です。

以上